太陽の「おらー!」という叫びと、アスファルトの「うぎゃー!」という断末魔にサンドイッチされた哀れなトマトであるところの私は、ひたすら汗をかきながら嫌な思いをするのである。
家に篭もれば、することがない。
本を読み、映画を見、音楽を聞き、隣人がぼっち大学生じゃありませんようにと祈りながらアコギを弾いてみたりするものの、すぐ飽きる。
勉強は大切だ、しなくてはいけないと思いつつ、惰眠をむさぼるのである。
母は地元に残った旧友の話をまるめた鼻クソのごとく弾き飛ばしてくる。
あの子は双子を産んだとか、あんたが仲良かったあの子は市役所に務めているとか、どうでもいい話だ。
あとは父親が骨折して家系が火の車なんて、気が滅入る話しかストックがない母。
じいちゃんは趣味の麻雀で若干の借金をこしらえたらしい。ばあちゃんは1年前より膝が曲がった。
カレーと畑でとれたほうれん草は相変わらずおいしかったけど、2匹の猫がいなくなった居間はどこかさみしい。
偶然連絡先を交換できた、ちょっと好きかもしれない女の子にLINEで連絡すると、上っ面な返事ばかりが返ってきて、上っ面が禿げそうだ。
バイト先の同僚に連絡してみようか?何て?シフトを交換してもらいたいような用事はないのだ。
ネットに逃げこむこともできない。
SNS社会は大の苦手だ。Facebookはもってのほか、Twitterは何度もオフ会した相手といざこざを起こして以来嫌になった。
普段の学校はぼっちでも苦痛じゃないのか?面白いな