原因を勘違いしている。今回指摘されている「危機」は、制作会社に利益が出ないから新人育成にコストをかけられない、だから人材が育たない、という話。そしてそれは業界に入ってくる金が少ないから起きているわけではない。
もともと、お金を引っ張ってくる努力はちゃんと行われており、製作委員会が立ち上がった直後の円盤とグッズぐらいしかめぼしい収入ソースがなかった時期と比べれば、収益源は遙かに増えている。海賊版対策等、海外市場をマネタイズする試みも進められている。問題が無いわけではないが、「製作」レベルではまだなんとか回っている。
本当の問題点は『コストを度外視すれば、』の方。「制作」レベルの話。
つまり、きちんと予算内で期日通りに完成する作品が少ないのが本当の問題。
そりゃ枚数気にせずにクオリティを追求して覇権獲りに行く作品があるのは構わない。そういう作品がチャレンジしないと進歩は起きない。
でも、そういうのを狙わない作品は、きちんと枚数制限守って制作費の範囲で作って、それで制作会社に利益が残るようにするのが本筋。
「手塚治虫ガー」とか「代理店の中抜きガー」とか勘違い野郎が多いが、末端が苦しいのは、制作会社の管理力のなさの方が主因。
当然ながらというべきか、予算管理が厳しい東映は、新人の待遇は悪くない。つまりアニメーターの生活を改善したいなら、アニメーターに直接お金を払っている制作会社の経営を改善するしかない。そこを無視して税金入れろだの直接支援しようだのは、穴の開いたバケツに水を入れようと言ってるようなもの。