たまにいる「民間企業優位信仰」の人たちってなんなんだろうなあと思うときがある。
口癖が「民間企業だったら~は許されない。」「民間企業出身者を入れないから駄目なんだ。」「民間企業に入ってないなら社会には出てない。」と言う人たち。
何の自信を持って民間企業が、それ以外の農林漁業従事者や公務員や自営業に従事する人々よりも優れているというのだろうか。
高度経済成長の時期ならいざ知らず、現在の民間企業従事者が他業種に対して何がしかの優位があるといえるような状況には到底見えない。
言い方は悪いが「民間企業って労働基準法を無視しているところが殆どの産業で、そこの従業員だろ」と言う感じである。
労働基準法を無視している企業が求める労働条件を基準として「民間だったらこれぐらい働く!社会ってのはそういうものだ!」と力説されても、馬鹿にしか見えないのだから説得力がない。
だいたい「民間」と言う範囲が良く分からない。多分言ってる人たちもわかっていない。
自営業は入るのだろうかと思うのだが、多分入らない。自営業の飲食店とかは、いわゆる「民間」の人が言うような厳密な会社の規則に則ったり、バリバリ働くというような労働ではない。
零細企業は入るのだろうか。中小企業と大手企業は同じ民間なのだろうか。
はっきり言えば零細企業と大手企業の従業員は、規則自体の細かさも規則に従うべき重度も全然違う。
中小企業の一部で許されているどんぶり会計は、その他業種とそう対して変わらない。
それを一緒くたに「民間企業」で纏めても、一つの統一的な「民間」はどうやっても出来上がらない。
ちなみに、会社員と呼べる人間は全労働人口の41~3%程である。「民間企業優位信仰」の人たちが言うような「民間」の人は、更にその一部であるわけだ。
彼らの言う社会というのは、日本の半分も占めないような一部分である。本当は「民間企業」の枠ではない存在のほうがよっぽど大きい。
公務員に向かって言われる「民間企業出身者を入れないから駄目なんだ。」と言う件についても不思議なのだが。
民間企業に染まり、民間の手法にしっかりと馴染んで、仕事が出来る人が、「民間企業を辞めて他業種に就く」と言う状況がおかしい。
公務員に民間企業出身者が増えるということは、民間企業で能力が足りず首になった、民間企業に合わなかったから辞めた人だからこそ入って来るわけで、前提がおかしいとは思わないのだろうか。
「民間企業出身者を入れないから駄目なんだ。」と言う言葉を少しいじると。
「日本の企業は海外経験者が少ないから駄目なんだ。」民間企業だって言われてるようなことだ。外国人を大勢雇えば良いが、大規模に雇おうという会社は少ない。