高校までの勉強なら、学習指導要領に含まれる範囲が「知っておかなくてはならない知識」で、それを超える範囲に関しては知る必要はなかったはずだ。
もちろん、上のレベルの大学を受験するとき、指導要領を超える知識を知っていた方が有利になるケースは多いけど、
まあ多数派の考えで言えば、高校のお勉強というのは、知ってなきゃいけない知識と、知っている必要がない知識をはっきり線引きできるケースだと思う。
知っておくべき範囲、というのが決まってはいない。
どこまで知っても、「知りすぎ」ということはないし、全然知らなくても単位さえ取れたら許される、という世界になっている。
実をいうと俺は教えている立場だ。
あんまり難しい教科書を与えても学生はパンクするので、比較的優しい教科書を指定して、内容的にはその教科書を超える範囲も含みつつ授業をしている。
そうすると学生は、
「それ教科書に載ってないんですけど」
とか言ってくる。
どこのFランだよwwwって思う方も多いかも知らんけど許して。
いや、どこまで覚えなきゃいけないかって、覚えれるなら全部覚えなさいよ、授業なんだから。とも思う。
義務教育じゃないのに好きでこの学校のこの学科に入ったんでしょ、って。
でも、別にさらっと単位とって、関係ないところにさらっと就職するだけの大多数の君たちは、何も知ってる必要はないんじゃないかな、とも思う。
授業はなるべくハイレベルで、試験を簡単めにしとけば、みんなが幸せなのかしら、とも思ったり。
しかし、ハイレベルな授業をやると、学生は無表情、無反応になるので、これってオナニーなんかなあ、とも思ったり。
どうしたらいいんだ。
ひとつ言わせてもらうと、君たちが買った教科書というのはただの一冊の本なだけで、その本でこの学問がすべて網羅されて解説されているわけでもないし、
その教科書に載っていないことが「知らなくていいこと」なわけでもない。
その教科書に載っていないことでも、授業で扱った内容は別の教科書に載っているし、不満を言う前にググるくらいしろよ。
(シラバスの参考図書にあがっている本とか見ろよ、図書館あるし)
まあ、なんだろう。
「授業を黙って聞いていれば、必要な知識はそこで過不足なく得られる」ような学校は、ほとんどないと思うんです。
俺にそんな期待をされても困る。
数式の解説はするし、前で解かせたりもするけど、それを授業中に見るだけできちっと理解できるなんて、一部の天才だけだと思う。
多くは、事前にある程度自分で本を読み、式を解き、情報を調べ、ってしておかないと初見ではわからんよ。
だから、あれだ。
「どこまで覚える必要がありますか」とか「教科書に載ってません」とか言う前に勉強してくれ。
そこまで君たちの薄い教科書にこだわりたいなら、教科書の本文を全文丸暗記させて書かせる試験にするよ。
まあなんだろう。
将来その知識を必要としない学生が8割、必要とするかもしれない子が2割、くらいな構成でする授業って、難しいね。
中には研究者目指す子もいるのかもしれないし。