2011-02-07

河村大村が勝った。

給与切り下げを題目にして、河村大村が勝った。

私は給与切り下げを掲げる候補者が信用できない。

 

理由1:自治体経営者としての無能宣言だから

首長とは自治体における経営者である

従って業務の効率化を推進し、コストを切り下げることが至上命題となる。

その能力に優れていることを競い、選ぶのが選挙である

能力の高い者には、当然に高い給与が支払われるべきである

よって選挙で選ばれた首長には、能力が高いことが期待されるのだが

高い能力の証左としての高い報酬を自ら切り下げるのは、報酬に見合った政治ができないことの自認と言える。

 

理由2:後の政治家の参入障壁を上げ、能力を下げるから

政治家寿命は短い。3期12年を全うしたら他の選挙区に移るのが通例である

そのため政治家世代交代は頻繁に起きるのだが給与引き下げはその障壁になる。

供託金、選挙費用を積み立てたらぺんぺん草も生えないような給与では、別に十分な収入が見込める人間しか立候補できないからだ。

地元の名士が金を積んで議員になる構造はここにある。

仕事をしないのに給与が高すぎるのではなく、安すぎて仕事ができないのに自己顕示欲正義感の強い無能しかまらないのである

仮に、奇跡的に自己顕示欲の強い有能な首長が就いたとしても、それは12年間しかもたない。

給与削減によって、自治体は次に途方もない無能が来るリスクを背負い続けねばならないのだ。

名古屋市場合有権者10円出せば議員が1人養える。実は議員とはお安いのだ。

今回は5円の価値も認めないとノーを突きつけた形だが10円の世界でさえああなのだから、5円になってレベルが飛躍的に上がるとは到底思えない。

75議席×5円=375円のために、まあ痛い出費をしたものだ。議席半分が実現されれば年間500円か。大した削減効果である

 

理由3:行政上の問題から目を逸らさせるから

無論、給与カットは分かりやすい。具体的な数字も出るし、改革の前に自ら痛みを受けたとして半ば英雄視される。

・・・それだけだ。パフォーマンスである

はっきり言って食傷なのはさておいても、行政全体で見て首長議員の歳費なんてものは雀の涙である

しかし、具体的で分かりやすい給与カットは、メディアの格好の餌だ。

影にある抽象的な問題には光が当たらず、まして返納そのものが問題になった場合

下らないパフォーマンスのために光を当てるべき問題が先延ばしになるのである。(現に河村市政当初これがあった)

 

結論

給与カットとは、

賃金に見合った仕事が出来ないことの自認であり

・若い政治家、次世代の政治家の芽を摘む保守制度であり

行政の問題を隠すカモフラージュである

 

このような指摘はそれこそ食傷だとは思うのだが、やっぱり流行るのである

それは何故か?

そういう無能に対し、無能であることを理由に投票する馬鹿いるからだ。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん