結構な遠隔地に住んでて、もう何年も顔を合わせてなかった友人がいる。
かつては毎日のようにお喋りしたり遊んだりする間柄だったけど、距離と時間に比例して次第に縁も遠くなり、いまや電話どころか定期的なメールのやりとりすらない。かろうじてお互いのブログにコメント付け合う程度には近況を把握してる、そんな細い縁だけが残ってる関係だ。
大昔のことだけど、告って華麗にスルーされたこともあったっけ。
なんというかまぁ、そんな異性の友人。
で、ブログによれば、その友人は別な友人と連れ立って、次の週末に某有名観光スポットを訪れるという。
私の自宅はすぐそばだ。
メールを投げてみた。
お互いケータイメアドは長いこと変えておらず、無事にメールは届いた。
「ひさしぶり」の挨拶にはじまり、某有名観光スポットの話を交えつつ、ここ最近ないほど密にメールが飛び交う。
当時と今とじゃ二人の趣味も変わってるし、共通の話題なんか大してなかったはずなのに、最初は事務的だったメールも徐々に長く、頻繁になっていく。
横にいた同居人に睨まれたくらいだから、傍目には相当必死にケータイ弄って見えたのだろう。
自分が恥ずかしい。
その文面からは(当時と変わらない)彼女の視点の面白さや頭の回転の速さや、あるいは言葉には表現しにくい彼女の持つ魅力……有形無形のかわいらしさがあふれ出ていた。
昔も今も、向こうにとっての自分は一貫して「(ちょっとウザい)男友達のひとり」でしかないのだろうけど、そのメールを見ていると、自分が彼女にかつて惚れていたこと(そして今でも彼女がとても魅力的な女性をやっているらしいこと)を再認識させられた。
「近くだし、会えないか?」
別に特殊な展開を期待したりしたわけじゃない。
ただ、かつて魅力的だった友人が今もその魅力を失っていなかったことが嬉しくて、いまはどんな笑顔をしてるのか見たかっただけなんだ。
勢い任せで聞いてはみたけど、同行の友人の都合もあるからと、やんわりと断られた。
物理的には近くても、やっぱり今の私と友人との距離は「メール」どまり。
まぁね。もし本当に顔を合わせたとして、どんな顔して何話せばいいのか自分でもよくわかんないや。
だから断られて、残念に思うのと同時に安堵している自分がいる。
「たくさんありがとう!」とメールで別れを告げて、そして彼女たちは帰っていった。
そういえば同行してる友人って誰だろ。
同性か異性かすらも明らかにしてくれなかったけど、きっとそういうことなのだろうか。
当時の諸々を思い出し、あの男嫌いだった友人が彼氏を作るなんて本当は今でも考えられないんだけど、自分にだって今は大切なパートナーが隣にいるのだし、彼女の人生にも同じような大転換が起きていても不思議はないんだよな。
今は、会えなかった友人と、その同行者である"友人の友人"が旅を楽しんでくれたことを喜ぼう。
そしていつか互いのパートナーを紹介しあう日が……いや、これはないだろうな。
もしかしたらもう生涯顔を合わせることはないのかもとか、どちらかといえばそんな予感さえする。
こんなこと自分のブログじゃ絶対書けない(嫁もその友人も見てるし、そもそも他の読者が迷惑だろうよ)から、ちょっと名前を隠して吐露させていただきました。
ああキモスキモス>俺