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2020-09-03

ニュージーランドでは若者自殺率結構高い

日本人にとってニュージーランドってどういう国かな。

くらいだろうか。他にも幸福度ランキングジェンダーギャップ指数世界的にも高い地位確立している、とか、移住先に良いとか、ラストリゾート的な扱いを受けていたり、後はタックスヘイブンみたいな扱いだったこともあった。

今回はニュージーランドが余り公に言わない部分をちらっと書く。

何で書こうと思ったかと言うと、朝日新聞でも書かれた「子供幸福度」についてだ。日本20位で「さすがは鬱苦しい国ですね」とか大盛り上がりしている人もいるようなんだけど、日本人がどこかピュアな国のように感じているニュージーランドは何位だったか知ってる?

41カ国中35位

子供幸福度でみると日本のほうが実は遥かに高い。

ただ、現地にいる身としては、割りと「そんなもんだろうな」という感想だったりする。それはNZ社会にある動かしようのない格差というのがあるからだ。NZでは金持ち金持ちのまま、貧乏人は貧乏人のままになるように社会が作られている。意図してそう作っているかは知らないが結果的にそういう国だ。

現地で聞いているところでは、子供貧困自殺率が深刻だ、という点。肌感覚で感じているのは、移民国家ならではの若者社会での将来に対する行き詰まりや貧富の格差だ。

長々書いたが、NZでは自殺が高くて結構問題になっている。日本人が大好きなジャシンダ・アーダーンが首相を努めていた2018−2019年が何気に最高記録に到達している。

https://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=12262081

首相一生懸命対策していると言うが、まぁ自殺率は高い。

自殺率10万人あたり13.93人。自殺者の内訳では、若者マオリ族、パシフィカと呼ばれる人たちが特に多い。パシフィカというのは、サモアトンガフィジーツバル、クック島のマオリニウエトケラウ、キリバチの人たちらしい、実はこれらの国々はNZ管理というか、サポートしており、パシフィカたちはNZ移住することができるんだそうだ。ただ、日本人からしたらまるで異世界に感じるようなのんびりした国々らしく、資本主義競争社会であるNZで振り落とされてしまう人々も相当いる。

日本では2万人くらいが年間で自殺してるんだっけ?1億人で2万、10万人で20人くらいか日本よりは少ないな。ただ、10~24歳の間では10万人あたり35人に急に膨れ上がる。要は若者結構自殺しているということだ。他にもいろんな指標があって、この数字を大したことがないように見せることも可能かもしれないがNZでは若者は割りとバンバン自殺している。

若者自殺してしまうという理由はいっぱいあるんだろうが、まずはこの国には覆し難い貧富の格差がある。金持ちはどんどん上に行ってしまうように社会ができていると書いた。

例えばなんだが、学校だ。

学校ではディサイルという寄付金制度がある。貧困層が多い地域では寄付金は少なめ、税金の投入を多めにする。金持ちが多い地域では寄付金が多め、税金の投入を少なめにするというバランスのとり方をしている。

この制度の良いところはノーブレスブリージを地で行っているところだ思うかもしれないんだが、実質としては教育格差がどんどん広がるという制度でもある。税金でまかなえる部分は結局最小限なので、貧困家庭の学校に通う子どもたちには、最低限の教材しか与えられない。一方金持ちが行く学校では、こっちの金持ちなんかは普通に自家用ジェットで飛んでいける家庭ばかりなので、なんでも買い与えてしまえる。

2015年の記事なんだが、教育における大きな格差についての記事がある。

https://www.nzherald.co.nz/nz/news/article.cfm?c_id=1&objectid=11539592

この記事を読む前にNZ大学について少し書くんだが、NZでは大学の質は結構高く、最高学府オークランド大学大学ランキングで上に立っている日本大学は、東大京大しか無い。で、この大学に入るためにはNCEAという試験を受ける。

NCEAでは取ったスコアに応じてクレジットが溜まっていく、試験高校に入ったくらいからコツコツと受けていき、LEVELは3まである。3を受けるには2に合格、2を受けるには1に合格というふうにステップを踏んでいく。クレジットは、各レベル得点が高いほどたくさん溜まり、好成績を維持すればボーナスクレジットもある。

大学学部に応じて、NCEAの必要レベルと科目が指定されているので、受験生たちはこれらの科目を一生懸命勉強してクレジットをためていく。そして志願者の中からクレジットが多い順に合格、というようになっている。

この辺がわからないとこの記事がわからないので書いておいた。

そして、裕福な家庭の子どもたちは貧困家庭の子どもたちに比べて25%レベル2に合格する率が高く、30%レベル3に合格する率が高い。これは金持ちの子どもたちがどんどんと大学に入ってしまい、貧困家庭の子どもたちは大学に入れるほど学力が上がらないか自分たちより確実に試験合格していく金持ちたちに物量で遥かに不利な戦いを挑んでひっくり返す必要がある。

日本からNZ移住する人たちの中にもNZ教育日本に比べて質が高いという人が結構いるんだが、このディサイルという制度を知らないで適当に選んでしまうと、偉いことになってしまうので、よく調べて、寄付金を支払えるか、その地域に住めるかとかを考えてこっち来るようにしましょう。

 
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