まずはじめに、このエントリーで性的マイノリティを差別するつもりはない。
でも、自分自身の偏見にはびっくりするほど気付けないものなので、嫌な予感がする人は読まない方がいいと思う。
性的マイノリティって、身も蓋も配慮もなくぶっちゃけてしまえば、生物学的には非合理的な存在だ。だって繫殖ができないからね。
だけど、じゃあ野生動物には同姓愛者やトランスジェンダーはいないんだろうか?
と、ふと思った春休みの昼下がり。
例えば同姓愛で言うと、オスだけの環境で飼育するとゲイになる個体がいる。大学で飼っているオスヤギはもうヤる気満々でマウントを取って腰を振っていた。物凄く気まずかったのを覚えている。あなたはヤギの陰茎の形を知っているか……
他にもオス猫が同居のオス猫にマウントをとる事例もある。YouTubeで検索したら結構あるんじゃないだろうか?
メスだけの環境でオス化する個体もあるようだ。先々週あたりの「ダーウィンが来た!」でオス化したカブトムシの話があったと思う。
この辺りで増田は「ネクロフィリアかつゲイのカモ」の話を思い出した。
詳細がわからなかったのでググってみた。
世にも奇妙な検索履歴の爆誕である。面白いのでこのままにしておこうと思う。
調べによると「ガラスに激突死したオスのマガモに別のオスが75分間に渡って性行為を試みていた」という研究でイグ・ノーベル賞を受賞している。なるほど、何となく知っていたのはこのとき話題になったからだと思う。75分も頑張っていた謎のマガモくんには感心するが、話が飛んで行ってしまうので自重する。
気になった人は「カモ 死姦」で検索してほしい。一緒にトンデモ検索履歴を保持しようぜ。
じゃあトランスジェンダーも野生にいるのか? と言うと、いるんだけども話がちょっとややこしくなる。主に当事者への配慮的に。
どういうことかと言うと、トランスジェンダーになる原因がわかっているからだ。
この話をしてヒトのトランスジェンダーにも原因があるとか、治せる病気なんじゃないかとか、そういう雰囲気になるのは困る。困るので、完全に学術的な話だと思って聞いてほしい。本当に他意はない。
実は、ラットは人為的にトランスジェンダーを作ることができる。出典はこちら。https://www.brh.co.jp/publication/journal/024/ss_3.html
実験動物や家畜では「脳の性分化」が報告されている。身体の性とは別に、脳が性ホルモンによってオス化・メス化する現象だ。マウス・ラット・ハムスターのほか、ヒツジでも確認されていて、普通は脳と身体の性は一致する。
で、一般的にはこの「脳の性分化」は胎児期に起きる。ところがラットだけは生まれてからも性分化の期間が続いていて、オスの子ラットに女性ホルモンを、メスの子ラットに男性ホルモンを注射すると、脳の性別は身体の性別とは逆になるらしい。
メス化したオスはメスに求愛をしなくなる。逆にオス化したメスはメスに求愛をするし、オスにマウントを取られても交尾姿勢を取らなくなる。
もちろん、これらの事例を前提にして性的マイノリティに言及するのはリスキーだし、配慮に欠ける。
ヒトでそういう研究があるとは聞いたことがないし、まさか赤ちゃんに性ホルモンぶち込んでみるわけにもいかない。当事者だって、あなたに遺伝的異常やホルモン異常があるかもしれないから調べさせてくださいね、などと言われたら不快だろう。
そういうことがあるのかもしれないと知ってわくわくするのは、それこそマイノリティな派閥だろう。
邪な意味ではほんとにないんだけど、学術的に興味があるだけなんだけど、いやほんとにすみません。このエントリー全部わくわくしながら書いてるけど、そういうつもりではないです本当に。
このままだと性的マイノリティ当事者に会ったときに以上のような話をしかねなかったので、匿名の場所を借りて発散したかったのだ。ああすっきりした。
性的マイノリティがいるのはヒトだけじゃないんだし(マイノリティを迫害する社会構造を持っているのは人間くらいかもしれないが)、いくら生物学的には非合理的だったとしても、やっぱり多様性のひとつとして認識できるような人間でありたいよね。
ヒトなんて非合理的に生きていく生き物なんだし。ていうか完全に合理的に生きられるなら日本は超少子高齢化に苦しまなくて済んでるし。払った年金ってどうなるのかなあ……