2020-04-30

現役の高校教員だけど、今年9月の入学(始業)は無理です

ちょうどいい機会!今やらないでいつやる!みたいな人が多くてうんざり。いい加減にしてほしい。これは学校だけの問題じゃない。早生まれや学年の定義や、そういうことでもない。

教育業界は何十年も、4~3月のスケジュールで動いてきた。お金も人の動きも、それに関係する全国の民間企業も、全てがこのスケジュールに応じて動いてる。公立高校も実質無償化になって久しいけど、それも全て、4~3月の中の国の予算組みで動く。人の動きや転勤も全てそう。各種調査統計も、5月1日を基準日として行われ、それを基礎数字に全てが動く。

民間会社もそう。仮に9月入学になったら、近いところで、学習塾業界に激震が走る。そこの決算や人の動きも全て変わる。新卒採用にも影響が出る。例えば、教科書を作る会社。それを販売する会社。机や椅子といった教育機器備品会社制服を作る会社。進路情報サポートする会社。その全てが、4月入学やそれぞれ適した時期にに最高の形で供給できるよう、工場の稼働や人的な問題など、調整している。地方だと、春先の年一回に全てを賭けた老舗の制服取扱店や教科書販売店も少なくない。

9月入学にするというのは、文部科学省が決めて、各県に通達して、予算や人の問題クリアすればOKという話じゃない。教育業界に関わる日本中民間企業も、大きな変化を迫られてしまう。事業の大幅な組み換えや、見直し必要になる。ただ単に半年ズラすとか、そういう簡単な話ではない。欧米と合わせて9月に!というのもナンセンスな話で、半年ズレによる受験機会増などの恩恵も沢山あった。

かに、9月入学メリットは分かる。受験シーズンと厳しい冬を切り離せるのも魅力的。でも、絶対的時間が足りない。今年の9月は無理。そもそも、9月にコロナが終息しているかも分からないのに、どうやって9月入学に向けて動けというのか。全国の教育業界に関わる全ての企業組織が一斉に段取りを始めれば、緊急事態宣言どころじゃなくなるのは目に見えている。

少なくとも、今年は無理なのだ2023年に9月入学を始めるからから数年かけて準備していきましょうなら、まだ分かる。でも今年はあと4ヶ月しかない。それも、コロナが終息しているか不透明な4ヶ月先。ただでさえ、現場教職員たちは、生徒の学習をなんとか継続しようと、今必死になって取り組んでいる。地方だと家にWi-Fiがない家庭も多い。もちろん、ろくに家庭訪問もできない。休校要請非人道的スケジュールで降りてくる中、どうにかできないものかと、試行錯誤しながら必死にくらいついている。そんな現場に、9月入学に向けて学校行事他全てを見直して準備していく余裕は、はっきり言って無い。無いです。

今大切なのは子供たちの学習機会をどう確保するかということ。ネットを使った環境を、いかに整備するのか。郵送でのやり取りと抱き合わせでもいい。そこに文部科学省なり県なりが経費や補償を投じて、統一フォーマットスキームを形作ってくれれば、現場はいくらか楽になる。頑張るための方向性が見える。どうなるかも分からない9月入学に振り回されるより、直接的に、目の前の子供たちのためにやれることをやりたい。

から安易に9月入学がちょうどいいなんて、そんなことを言わないでくれ。煽らないでくれ。4ヶ月でやれることでは到底ない。そして、現場はもう、耐えきれない。

  • 無能

  • 来年9月にしよう

  • お疲れ様です。 学校関係も大変ですよね。 たくさんの業者、関係者、イベント等々あり、準備期間数ヶ月で気軽に動かせる話じゃないとは思います。 親側としても来月あたりで学習環...

  • 要約すると、変化するのがクソ面倒くさいから嫌だってことでOK?

  • ラン活が入学一年前から始まってる今の方がおかしい 腐りきった現場が耐える必要はない 倒れればいい

  • 地方公務員が叩かれるべき理由がこの増田につまっている

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん