2019-08-05

戦後憲法裁判の記録を多数廃棄-自衛隊基地問題検証不能

https://this.kiji.is/530717544895661153

記録を廃棄された事件代理人です。

これは俺の想像だけど、何が特別保存の対象かなんて内規はないと思うよ。想像ではあるが、国籍法違憲判決の記録すら廃棄するぐらいだから、まちがいないでしょう。で、最高裁判断が確定したら地裁に記録を送って、あとは地裁判断する。

だが送られた記録を受け取るのは記録係であって裁判官じゃないし、最高裁から送られてくる時点で既に地裁の手を離れて何年も経過しているので、当時担当した裁判官なんて残っていない。そもそも裁判官は、これは弁護士もそうだけど、事件を処理し、判断する訓練を受けているだけであって、自分担当した事件歴史的価値あるかないかと問われても、そんなの知らんとしかいいようがない。まして人の担当した事件社会的重要かどうかなんて聞かれても困るよ。

そんな状態で、最高裁から送られてくる膨大な事件記録のうち、どれが特別保存の対照で、どれが廃棄していいかなんて判断できるわけない。おそらく東京地裁にはこうした判断をする部署すらなく、記録係の主任に丸投げだったんじゃないかな。大規模庁である東京地裁ですらそれだったとしたら、他の地裁なんてさらに無理。裁判官書記官も忙しいしね。

地裁からしてみたら、最高裁から具体的に指示されるか、明確なルール作ってもらわないと判断なんてできないと思うよ。

戦後マイノリティ権利について憲法14条違反として法令違憲無効とした判決は、国籍法女性再婚禁止期間100日超の部分を違憲とした判決しかない。だが記録がなければ、後の研究者訴訟過程を詳細に検討したいと思っても、当事者代理人聴くしかない。

国籍法場合判例集に載っている事件は、集団訴訟報道された別事件と違って、強制送還命令からまり強制送還を命じられた本人が実は日本人でした、というところに特殊性がある。1人でちまちま始めた事件で、メディア対応等はしていないが、集団訴訟より1年早く始まっているので、判例集にはこちらが掲載されている。研究者なら事件名が「退去強制令書発付処分取消等請求事件」となっているのを不思議と思うはずだ。http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=36415

退去を命じられた人が、実は退去の判断裁量違反無効であるというに止まらず(これは"if"だが、もしも国籍問題として提起していなければ、原告強制送還されていたと思う。)、憲法的には日本人だったという奇妙な経過と結論は、日本社会における外国人地位について示唆するところが多いはずだが-不思議だよね。本人の社会的地位はいっさい違わないのに、争点がズレるだけで、「煮て食おうが焼いて食おうが国の自由」と切り捨てられる対象から最高裁裁判官が15人も集まって、やれ憲法違反するとか違反しないとか大議論の的になる-俺が忘れたか死んだりしたら(いちおう国の書面や証拠も含めて全部PDFにはしているけど)準備書面すら読めず、判決を読んで国籍法違憲になったロジック理解できても、なぜそんな事件名になっているのか、そこで問われたのはどういう問題だったのか、永久にわからなくなる。 (一審判決まで辿れば少しだけ触れられててはいるけど)

俺は学者じゃないし、そもそも俺にとっては終った話なので、東京地裁が廃棄したかけしからんというつもりはないけど、学問的には損失かも知れないね

  • 頼まれれば、私が無償ボランティアでpdf化作業してやるのになあ。

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