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2013-07-08

金子勇氏の訃報に接して--Winnyの思い出--

金子勇氏の訃報が突然聞こえてきたのには少し吃驚した。

  

俺は2chDownload板に47氏として金子さんが登場した時から知っている。

WinMXというサーバーを介したP2Pファイル交換ソフトが当時は全盛だったが、サーバーを止められたらファイル交換出来なくなるという致命的な問題があった。

そして実際にサーバーは止められ、有志のサーバーに頼るか他のソフトを探すしかなくなった。

ちょうどそんな時期に

暇なんでfreenetみたいだけど2chネラー向きのファイル共有ソフトつーのを

作ってみるわ。もちろんWindowsネイティブな。少しまちなー。

と颯爽と登場したのがスレッドコメント№47、通称47氏と名乗ることになった金子氏だった。

 

同様にサーバーを介さないGnutellaというピュアP2Pがあるのは知っていたが、FreeNetは知らなかった。

調べてみると、FreeNetは通信を暗号化するという。

ははぁ、なるほどもしそれが実現したら結構やばいことになりはしないか?とすぐに思った。

しか分散アップロードされ、キャッシュという形でノードのどこかに保存され、アップロード元も特定できないシステム

 

やばいことになる、と思ったのは違法ファイル蔓延ることではなく、ネットの負荷が半端なく増大するって事だった。

WinMXの様にアップ側とダウン側が1対1ではなく、キャッシュ分散ノード多点経由でやり取りされるWinnyではパケット量は膨大に増えてしまうのだ。

当時まだADSLが全盛だった時代、それは実際そうなったのだが、そうなるとWinny自体の転送速度も落ちるので、Winnyは驚くべき対策を打ち出した。

P2Pソフト自体でネットを適切に自動制御する、クラスタ化というものであった。

検索キーワードを使って、同じか似た検索キーワード同士を発するノード同士を近付けて、異なるキーワードノードは遠ざける。

目的ファイルを交換しやすくして、かつ、ネットの負荷も劇的に下げるという、

しかも個々のノード、すなわちユーザーに成績を付けて、たくさんキャッシュを持っていたり速度の速いノードはより上流にして交換しやすくする、などといった対策も取った。

Winnyの優れた点はP2Pというシステムネット上で如何に最適化していくかというところにあった。

そしてそれはほぼ目論見通り成功Winnyは大ヒットしたわけだ。

 

その後の問題については別に書くこともない。

違法ファイルやり取りの温床となったり、ウィルス蔓延する事は当初から予想されていたことだったし。

そして俺は多分、金子氏は捕まるだろうと思ってた。

ユーザーを特定できるサイトソフト配布拠点にしていたからだ。

そしてその通り逮捕された。

日本司法は多分有罪にするだろうと思ってたら結果無罪となった事だけが予想を外した。

 

俺としては金子さんはまた再び世間を騒然とさせるソフトを作るに違いないと思ってた。

そういう期待をせざるを得ない人材だったと思う。

こうして訃報に接してそれがもうないという厳然たる事実に非常に残念に思う。

 

天国で思う存分ソフトを作って下さい。

ただあんまりやばい物作って閻魔さんに地獄に落とされないように(笑)

 
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