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2016年10月18日の22時過ぎ、渋谷スクランブル交差点の街頭ビジョンでPorter Robinson & Madeonの『Shelter』アニメーションMVが世界初公開された。
Porter Robinson & Madeon - Shelter (Official Video) (Short Film with A-1 Pictures & Crunchyroll) https://youtu.be/fzQ6gRAEoy0
Porter RobinsonはアメリカのDJ/トラックメーカーである。
重度のオタクとしても知られており、『あの夏で待ってる』の山乃檸檬(CV:田村ゆかり)の台詞をサンプリングして自曲に使用したこと、そのサンプリングはきちんと制作元に使用許諾を得ていたことなどで一部のオタクが盛り上がっていた。
MadeonはPorter Robinsonの友人であり、彼もDJ/トラックメーカーで『Shelter』の共同制作者だが、MV制作についてはPorter Robinson主導のため、解説は割愛させていただく。
A-1 PicturesはPorter Robinsonが大好きな『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』や『アイドルマスター』シリーズのアニメーション制作会社であり、今回のMVではアイマスで活躍した赤井俊文・河野恵が起用されている。
インタビューによると、Porter Robinsonは明確な理由を以てA-1 Picturesを指名しており、MVを作る段階においては河野恵以外有り得ないと言っていたとのこと。
つまり、『一介の曲が作れるオタク外人が自らの妄想を原案として現代的なオタクの嗜好・文脈がしっかり盛り込まれたMVを一流アニメ制作会社と作り上げて渋谷のスクランブル交差点という超パブリックスペースで世界初公開した』というわけだ。
(インタビューでも触れられているDaft PunkのMVは決して現代オタクの好みではないし、日本アニメ(ーター)見本市のTeddyLoidは現代的なオタク嗜好全開でMVとしても成り立っているが作曲家主導ではない。そして、どちらも渋谷のスクランブル交差点では流れなかった)
自分は「これを日本のオタクトラックメーカーが先に御旗を掲げて成し遂げられなかった」ことがなぜかとても悔しくて、何がそんなに悔しいのか懊悩しながらこの文をしたためていたのだが、ようやく悔しさの理由がわかった。こんな情けない社会では外国人に先を行かれるのも無理もない。
なにせその頃、日本ではパブリックスペースに登るコラボレーションキャラクターの是非について日替わりで喧々諤々してる有様なのだから。
ちょうど今は『駅乃みちか』。しかもこのキャラ至ってはパブリックスペースに出てこないらしいのに、オタクとフェミニストが今日もまだ千日議論が繰り広げられている。
これではよしんば日本のオタクトラックメーカーにアニメ制作依頼できるほどの元手があったとしても、アニメ文化にもそれらへの理解とも縁遠い渋谷のど真ん中で、自分の妄想全開のオタクアニメMVを公開しようだなんて、打診どころか冗談でも言いづらいだろう。