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2016-07-26

物心つくかつかないかタイミングで身についてしまった価値観の話

1987年の夏、わたしは8歳で、小学3年生だった。

宿題やってくる、って親に言い訳しながら、友達の家で燃えろ!!プロ野球をやっていた話はまあどうでもいい。

ソ連子供の目にはまだまだ健在で、「核兵器」という強力な兵器を持った大きな2つの国が同盟国を従えて睨み合っているというのは本当に恐ろしい状況に思えたし、その恐怖心は映画館だったか公民館だったかも忘れたしまった「どこか」で見た『風が吹くとき』という静かな映画で強く増幅された。

から2つの大きな国のバランスが崩れるとき、きっとなにか大きな戦争が―やがて知る言葉で言えば国家総力戦が―起きるのは間違いないだろうと思っていたし、最悪の場合それが人類生存に大きな影響を与えるような核戦争になるのかもしれないと思っていた。

それはいわば、幼稚園の頃から繰り返し避難訓練をさせられていた「東海地震」と同程度にはやがて絶対にくる大破局に過ぎなかったのだ。

……まさか30年経って世界が死者が100人に満たない暴力に怯えて見せるようになると思わなかった。思わなかったよ。

大人になるって、長く生きるって悪くないとは思う。ただ、1度決めた覚悟を、世界価値観を変えてすべて反故にされてしまうとはどういうことなのか。

30年後、どこで何をしてるんだろう。どんな未来現実になってるのだろう。世界絶対毎日進化してるって思うし、わたしテクノロジーのちからを超超超信じてるけれども、総力戦に行けなかった、冷戦に取り残されたという気持ちはいつまでも消えずに残っていくのだと思う。

 
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