2024-10-20

「マジメ」な事をマジメな顔して言うとヘンな奴と思われてしまうかもしれない。社会生活の中でのそういう気付きが、心の柔らかい部分に気恥ずかしさという感情で鍵をかけてしまう。

生活のある、身に覚えのある言葉でそのガードを解く。

それを経ているからこそ、抽象化された普遍的ナイーブな混じりっ気なしの言葉がスルリと入り来んで刺されるのかもしれない。友達とのバカ話なら軽く流されそうな、口にするのも躊躇してしまうような言葉が。

歌詞にそういうセオリーがある事に割と最近になって気がついた。ジャブで崩してからストレートを入れるような。

最初から人生情熱が全てなんだよ!!!」とだけ言われてもあんまり響かない。お前に何が分かんだよって。

出かけるには遅くて寝るには早い、悶々とするばかりの時間とか。通勤ラッシュでもカッコつけて席をガツガツ取りに行こうとはしないけど、足踏んどいてイヤホン着けたまますまし顔の奴にイラつきながら座っときゃ良かったって思うとか。

そういう言葉生活重力怠惰や嫌気を綴ればガードが緩む。コイツ自分と視座を持っているのかって。そうなって初めて、それでも、それでも、と奮い立たせる言葉が輝く。

あんまりそういうテクニックめいたもの意識を向けると冷めてしまものもあるし、どうなんかなとも思うけど。

これを悪用するとインターネット悪口にもなるんだよなって思う。

歩くの早そう。チーズ牛丼食ってそう。誰にも反応されないTwitter独り言い続けてそう。滝沢ガレソバカにしてればいいと思ってそう。

陰気だからとてチーズ牛丼って言うほど食わないと思うけどな。子供舌とかそういうこじつけ方をしたいのかな。あれは言葉でなくイラストに引っ張られてんだと思う。

そうやってガードを緩めさせた隙に社会性がないだのザコだの好き放題罵倒すらば、「図星」でなくともダメージを与えられてしまうのかもしれない。

「身に覚えのある言葉」のチョイスが絶妙ラインを突いてるほど、他者への観察眼というよりは自爆テロめいた内省を感じる。

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