俺は何気なくスマートフォンを手に取り、デリヘルのサイトを開いた。孤独な夜、些細な快楽を求める気持ちが俺をここへと導いていた。
画面には美しい女たちの写真がズラリと並び、誘惑的なポーズで微笑み躍動していた。
俺は興奮し、期待感に心を躍らせながら一つのプロフィールを選び、電話をかけた。
そう言いそうになった。だがその瞬間、頭に幼少期の光景が浮かび上がってきた。
小さな頃、親と一緒にペットショップを訪れたことがあった。そのとき目に入ったのは愛くるしい顔の子猫ではなく、目付きの悪い子猫だった。
他の人々は可愛らしい子ネコたちばかり構う中、俺はどうしてかその子ネコばかりが気になった。
学校帰り、毎日のようにペットショップに通った。他の子ネコは次々にもらわれていく中、目付きの悪い子猫は当然のように売れ残っていた。
小二の誕生日、そいつを買ってもらった。俺は歓喜した。あれほど嬉しいプレゼントは今でもないくらいだ。
結局猫は俺が高三になるまで生きて、卒業する前に逝った。
猫は愛嬌がなく、いつもツンとしていて、それでも甘えてくるときは本当に甘えん坊だった。
あいつのことを俺は愛していた。ひとりぼっちで泣いていた夜、あいつは布団の中に入ってきた。温かい夜のことは今でも覚えている。
その時あいつはひどい顔で笑った。その笑顔が俺は大好きだったんだ。
ハッとし、俺はデリヘル嬢に目を移し、思い直した。
そう気づいた時、俺はチェンジするのをやめた。
何も言わず佇み、泣いている俺のことをデリヘルは不思議そうに見つめ、それから微笑み家に上がると俺の手を取った。
それからベッドの方へ行き、美しい夜景の中で、俺は彼女の手をとり、幼少期の経験が与えた優しさに包まれながら、俺は嬢に身を委ねた。
すべてが終わると連絡先を聞こうとした。嬢は表情を歪ませる。
あいつのことを思い出しながら俺は君の力になれるからと言い、彼女は表情をようやく綻ばす。
次の週末、外で会うことになった。
きっとあいつも、このことを祝ってくれるだろう。