その内容は世の中にある課題感とあっていたし、統計的に有意かどうかといった研究はその時点でほとんど行われておらず、これからサンプルリングしてそのことを実証するのは数年ぐらいかかるだろうという見込みは容易に想像できた。そして検証した結果が有意ではないという結果になる可能性もあった。しかし、私が知る限り、世の中で誰もやっていないビジネスアイディアではあった。(素人ながら) 私の感覚的にはいくらか効果はあるんじゃないかという期待感をもてるような内容ではあった。私は起業家のキャリアやビジネスアイディアの斬新さも含めて応援するつもりでアドバイスしていた。そして成功する可能性が1%あると思っていた。
しかし、3ヶ月後にその起業家と会うとピボットしました、前に説いたビジネスアイディアでは融資を受けられないのでまずはお金を稼ぐ現実的なサービスを作ることにしたという。すでにコモディティとなっている web サービスの劣化コピーを特定業界向けに作ると言い出した。web サービスの世界というのは1位が大半のシェアもしくは売上を総取りし、2位以下が残りの少ないシェアを分け合っているという状況が起きやすい。その web サービスになんのノウハウも思い入れもない人が、先行者利益を得ている競合がすでに数社いる web サービスを最後発から起業したばかりの会社で黒字化できるように私からはみえなかった。目的がてっとり早くお金を稼ぐためと話していて、これは99%失敗するなと私は思った。