朝からお米の炊き方について間違えた話をテレビで見聞してたので米農家が修正しておきたい
高温障害によって米の質が下がるのは事実だがそれは単に収量の低下として顕れる
番組内では半透明の米が白く濁ってしまっていて「質の悪い米が多い」という指摘がされていた
これは事実なのだが一般消費者に届いた米として白く濁っている場合は単に選別されていないだけである
最近は高温障害が多いのでみんな色彩選別器(色選)を導入していたり近所で貸し借りしたりもしている
色選にも限界があるのはそうなのだが、それを言い出すと別に高温障害がなくても白濁した米は一定数混じる
結果として今年はそもそもの収量が少ない、粒の大きさの選別で減少、更に色選で減少という感じで大不作となっている
品種改良で高温障害に強い米が増えているのは確かだし、味も全然悪くないのだが
市場に出回っている米で半透明か白濁しているかの違いは米の種類では無く色選されているかどうかに依存している
番組内では美味しいご飯の炊き方として冷水に浸して冷蔵庫で一晩寝かせ、朝から早炊きすると良いと紹介されていた
これも事実ではあるんだが、そもそも炊飯器の炊飯時間には浸水時間が含まれている
お米をセットしてスイッチを入れるとしばらくは加熱されずに浸水される
早炊きにするとその浸水時間がスキップされるだけで炊飯時間や炊飯の方法は何も変わらない(もしかしたらメーカーによって違うかも知れない)
長く浸水させるほうが美味しくなるとは思うが、それなら寝る前に炊飯器にセットしてタイマーで炊けば良いだけである
「新米は美味しいよね!」
とよく言われるが、東京なんかの米問屋に卸されている新米は100%新米かどうかかなり怪しい
そのため、都会の人が田舎に遠征して本当の新米を食べるとほぼ全員がビックリするぐらい美味しいらしい
(普段、市販されている米を食べないのでその感覚は分からない)
だったら高値で新米を売れば良い、というのが市場原理ではあるのだが
米は農家が問屋に1年に1回だけ卸すものなので、本来であれば新米が一番安くなる
時間が経つほどに保管コストがかかるので高値にならざるを得ないのだが味も品質も悪くなる
なので新米だろうが古米だろうが同じ値段で売るのだが、そのまま売ると新米が美味しすぎて新米の時期だけに米が売れてしまい
残りの季節で米を買ってくれなくなるので古米を混ぜて売っている、らしい
半分くらい麦ぶちこんで炊けば米の味など関係なくなるゾ