2023-09-06

好きだった人がマジックをやってたけど、私が原因かもしれない

少しフィクション混ぜて書く。

日曜、池袋駅前広場で、中学の頃に好きだった人を見つけた。

見つけた、というかマジックショーをやってた。

人だかりがあったから、なんかやってるな、何やってるんだろって。

見たらマジックショーで、マジシャン中学の頃好きな奴だった。

私は彼氏と歩いていたし、立ち止まったりはしなかった。

「あ、あの人、中学同級生かも。」

って彼氏に呟いたくらい。

かも、じゃなくて、間違いなく奴だったんだけど。

顔変わってないし。

小5から中学卒業までずっと好きだったし。

今は、どうなんだろう。

まあでも、今の彼氏のこと、好きだしね。

そんなことより衝撃だったのは、奴がマジックをしていたということ。

だって、私は中学の時に、奴にマジックを見せたことがあるから

私は口下手だった。

クラス内のカーストも高くは無かった。

でも、奴のことが好きだった。

小学校から中学校に上がったら、女子男子はお互いにあんまりさなくなった。

カースト上位の人たちは、気にせず話していたけど。

そんなわけで、私は奴に全然話せなかった。

クラス内が、そういう雰囲気じゃなかった。

もし、私が奴に突然おはようとか言ったら、変な空気になったと思う。

ただ、ずっと、見計らってた。

そんなときに、たまたまマジックテレビ番組を見た。

テレビマジシャンが答えていた。

マジックがなんでそんな上手いんですか〜??」

「まず訂正したいのは、これはマジックじゃなくて超能力です。」

少し溜めて、続けてゆっくり言った。

「あと、僕は、少し、手が、大きい。」

マジシャンは顔の横に大きい手を広げて、おどけてみせた。

しかに、大きかった。

そして、思った。

私は手が大きい。

キャンプファイヤーダンスで「手でかいな」って言われたこともある。

マジックなら、なんやかんやで披露する場があるだろうし、奴とも話せるかもしれない。

週末に図書館まで行って、マジックの本を借りてきた。

持ってる手鏡だとよく見えなかったから、洗面台の鏡で練習した。

毎日練習した。

サボると、手がなまるのがわかった。

弟にちょくちょく見せていたけど、反応は悪くなかった。

ただ、奴に見せる自然な流れは来なかった。

練習を始めてから1年半くらい経過した。

中3になって、同じ図書委員になった。

というか、奴は隣のクラスにいたから、隣のクラス委員情報をゲットして、同じ委員会に立候補した。

そして、やっと図書室で2人きりになる機会が訪れた。

「私、マジック練習してるんだけど、ちょっと見てくれない?」

本当に緊張して手が震えたけど、マジック自体はうまくいった。

視線誘導もうまくいったし、思った通りの反応を引き出せた。

完全に成功だった。

めっちゃいね練習してるって、将来マジシャンになるの?」

「いや、なんも考えてなかったけど。」

「いや才能あるわー。なったほうがいいよ笑」

そこから二人の恋が、と言いたいところだけど、それ以上のことは何も起こらなかった。

1年以上練習したのに、何も起こらなかった。

少しの達成感はあったけど、それだけだった。

そのまま卒業して会うこともなくなった。

日曜、奴がマジックしてたのは、もしかしたら、私が原因かもしれない。

私の努力は、何かになったのかな。

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