2023-07-04

フィクションみたいだった瞬間

今までで唯一味わったフィクションみたいな瞬間。

帰省する時は新幹線、1時間に1本のローカル電車、1日3本のバスを使うくらいの田舎。そして実家までの途中にある酒屋兼駄菓子屋タバコ屋に顔を出してた。

大学2年生か3年生の時で幼馴染は当時高校生

上は制服シャツ、下はスポーツブランドハーフパンツという珍妙な格好で、缶のバヤリースオレンジを飲みながらレジに足を投げ出し、スマホゲームをしながら店番をしていた。

「おかえり。コーラ飲む?」と言われ、店前のボロボロ椅子ガラスショーケースから取り出した缶コーラを飲んだ。

会話の内容は共通の知り合いが仕事を辞めたとか結婚したとか塗装会社を作ったとか子供が産まれたとか(大学に進学する人は殆どいなかったので皆ライフステージ展開が早い)そういう内容。あとは俺の東京での学生生活

夕日、ひぐらしの鳴き声、遠くの出張スーパーの呼び込み音楽電柱スピーカーから流れる「遠き山に日は落ちて」と「子供たちを見かけたら、家に帰るよう促しましょう」的なアナウンスチャリ帰宅する近くの高校野球部集団掃除機くらいの大きさの祠と道祖神

そんなのを眺めながら幼馴染の女の子と酒屋の軒先で炭酸を飲むとか、今思うととんでも無くフィクションみたいな夏だったな。

あの時はそんなこと何も感じず何の感慨もなく、当たり前の地元風景だったけど。

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