推しの子のアニメを見た。その勢いで漫画も最新話まで読み切った。
本当に素晴らしい作品だし、こんなに魅力的かつ精緻にストーリーテリングできる赤坂アカ先生は紛れもなく天才だと思ったよ。
だけど同時に感じたのは、この作品は万人受けしないだろうってこと。
なぜかと言えば、人間の仄暗い側面(あの子いい身体してるよな、グラビア行けば? みたいな発言など。その他多数)をしっかり描いてるし、社会問題になった恋愛バラエティ問題を扱っているし、実際この作品自体がそれを描いたことで炎上したりもした。こうした「実際に起こり得る現代のエグさ」をしっかり描いたアニメ作品はこれまでそう多くはなかったと思う。
ところが、実際はものすごい勢いで売れてる。タイアップ企画もそこら中であるし、主題歌は未だにYouTubeのミュージックビデオチャート1位。
ここまで売れるには、単に面白いだけじゃなくて何かしらの共感があって然るべきだと思う。しかも当人の根っこに根ざしたところの共感。
自分なりに考えてみて、自分が共感したポイントは「登場人物が自身の愛着障害と折り合いつけながら前に進んでいく様」なんだなと思い至った。
自分も(もっとひどい家庭はいくらでもあるけど)まあまあひどい家庭環境で、そういう観点から否応なしに登場人物たちに共感してしまうんだよね。
そしてこの作品の爆発的なヒットを見て、自分と同じような人が自分が思ったより遥かに多く存在するんだろうなと察してしまった。底知れない深みを覗く底知れない作品だなと思わされた。
個人的にはこういったある種社会的なアニメ作品が増えていくのは良いことだと思う。見ないフリをするくらいなら、とことん覗き込んでどこまでも落ち込んだ方がいい。共感して初めて理解できることはたくさんある。
尚、最新作の「恋愛代行」は苦戦されている模様
多分、登場人物達のSNS対応=現代社会への向き合い方の姿勢がドンピシャハマる気がするって人が多いので受けてる感があるかなと思う。 自分以外全員有象無象の無責任放言人間、バカ...