2023-06-14

あ!これ胎児ですね!

大学卒業して社会人になってから医学部に入った。妻の収入を頼りに家事子育てをしながら楽しい学生生活を過ごし、辛い内科専門を終え、歳が同じか年下の先輩からしばかれながらやっとのことさらに辛い消化器を終えた頃の話。

腹痛、倦怠感、嘔吐の症状で高校生女の子が来た。随分大切に育てられたお嬢様みたいな雰囲気で、一緒に来た母親はとても心配していた。

触診した後、エコー虫垂膵臓などを見ても異常はなく、胃や十二指腸、腸などの膜に痛みがでるほどの炎症も見えなかったため(ストレス胃腸炎か…エコーじゃこれ以上わからないな…)など心臓バクバクさせながら診ていた。

少し下着を下げてもらい下腹部を診ていた時違和感に気がついた。

下腹部に何かある…なんだっけ…なんだっけ…もう一回…確かここら辺…出てこない…やばい…先輩に怒られる…)

その時、看護師の1人が「あ」と言い、自分の診察を見てくれていた先輩医師が「ちょっと本人とお話ししながら詳しく見たいので、お母様はお外でお待ちいただけますか?」というようなことを言った瞬間、自分の頭の中でようやく点と点が繋がった。

(かなり小さくて気がつかなかった!そうだ!)

俺「あ!これ胎児ですよ!赤ちゃんです!」

先輩「あ!ばか!」

母親赤ちゃん!そんなわけないでしょ!」

高校生「…」

慌てふためく母親、真っ青な高校生、慌てて宥める先輩と看護師、ぽかんとする俺という図は今でも忘れない。

ブックマークより

女性を見たら妊婦と思え、診察の鉄則

その通り。臨床講義でも最初から最後まで何度も何度も言われること。

生理が来ず産婦人科妊娠チェックするも否定され、胃の不快感で胃薬を飲んでも治らないからと来て胃カメラ希望する患者さんにエコーをやったら妊娠していた」なんてことが一度や二度じゃない。エコーやらずに麻酔かけて内視鏡やる医師は意外と多いので女性は気をつけて。

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