つきまとい・検索・撮影…「名札」がもたらす苦痛、適応障害の事例も
バスやタクシーで掲示されてきたドライバーの名札や写真が見直されることになった。客の利便性か、働き手のプライバシー保護か――。悩みながら対策に乗り出した業界もある。
約2200台を保有するタクシー大手の「国際自動車」(東京)は、運転手の氏名や顔写真、社名などを記載した証明書を助手席前に置いている。だが、酔客などとトラブルになった際に、スマホで撮影されるケースが目立ち、女性ドライバーを中心に不安の声が寄せられているという。
松本良一取締役は「領収書に記載された番号やナンバープレートなどで、お客様にはどの車両か分かっていただける。(見直しで)ドライバーの不安が解消されるように選択の幅が広がってありがたい」と話す。
東海地方の20代の乗り合いバスの運転士は生まれたときの性別は女性だが、自認する性別が異なる。制服は男性用を着用してきた。だが、運転席の背後に掲示された名札を見た乗客から「きょうの運転士は女性なのね」などと言われ、苦痛を感じてきた。
だったら働くな。
苦痛はあって当たり前。