マジで死にたくなった。
その日はバイト先のシフト回しがめちゃくちゃで、少なくとも1時間は3人いないと何もできないのにずっと2人だった。
私のバイト先はトイレが店にない。しかも近くのトイレが早い時間に閉まってしまうので、少し遠いところに行かないといけない。頑張っても5分くらいはかかってしまう。店自体は忙しくなかったけど、先輩を置いてトイレに行くのはな……と思ってしまった。というかいつもは行ってるんだけど、なんせシフト回しが上手くいってないせいで全部の作業が後手後手に回ってしまっていて、とにかく行けるような空気じゃなかった。
なんとか店を閉めて閉店作業をしている途中に、もうこれ行かないと無理だなと思って自分の作業を終わらせて先輩に急いで声をかけた。先輩は「どうぞ~」といつも通りの呑気な声で返事をしてくれた。
その声で少し気が抜けたのもあったと思う。あと、地面に落としたものを拾っちゃったのも原因の一つだった。店の裏口の戸を開錠して、ドアノブに手をかけた。その瞬間、どんどんズボンがあったかくなっていった。
素直に、「あ、終わったな」と思った。
とはいえそのままの姿で立ち尽くすわけにはいかないという気持ちで、なんとか出たものが滴らないように気をつけながら外に出た。
結構夜だからそんなに人はいなかったのが幸いだった。たまにすれ違う人には驚愕の眼差しで見られていたけれど気にせず猛ダッシュして、トイレに駆け込んだ。パンツもぐっしょり、ズボンもしっかり濡れていた。臭くて冷たいか臭くなくて冷たいかなら断然後者だよなと思って、誰もいない公衆トイレでひたすらズボンを洗った。見回りの人や別のお客さんが来ないように願いながら急いでズボンを濡らしては絞って、濡らしては絞った。パンツ丸出しだから、バレたらしっかり社会的に死ぬ。遅くなりすぎると怪しまれそうだったのもあって、洗いきれないところもあったが程々に終わらせた。素早く手洗い場の除菌もして、平静を装って店に戻った。ズボンは絞りきれなくて濡れまくっていたけれど、黒だからあまり気にならないようだった。あとなぜかそもそも臭いもあんまりなかった。
バレていないかもしれない。そう自分を安心させようと思ったが、先輩の態度はなんだかいつもよりぎこちなくて、「ああ……」となってしまった。
あと数か月でどうせバイトはやめようと思っていたからどんな状況でもしぶとく居座るんだけど、大好きな先輩にバレたかもしれないと思うと本当に最悪な気持ちになる。
なんせ20年も生きてきて今更トイレに失敗するなんて……という羞恥心もめちゃくちゃある。とはいえ私、チビの頃から結構我慢してお漏らしする癖あったんだよな……。友達と遊んでいた時、楽しすぎてトイレに行く時間が惜しくて、結局漏らしたこともある。まあそれは5歳ぐらいの話だけどさ……。15年くらい経ってんぞ……。トイトレは結構早く卒業できてたって母親から聞いているけれど、これもう一回トイトレした方がいいか? 筋トレ的なやつした方がいいか? 妊娠したらトイレ我慢できなくなるって聞いたことあるんだけど、どうなっちゃうんだ……。
まあとにかく、我慢して助かるのなんて一瞬だけだし、みんなもトイレは我慢しないようにしよう。まあそんなこと、もうとっくの昔にみんな分かってんだよな…………………………あと社員、まじでシフト適当に作んのやめてくれ。
増田が芦田愛菜ちゃんだったらおじさんのパンツを代わりに差し出して、おじさんがお漏らししたことにして濡れ衣をかぶってあげたい