タコピーがまりなを殺す前のしずかは、「どうせ何も変わらない」ばかり言っていた
何も変わらない、逃げ出せない、しかし、タコピーはまりなを殺してそれを変えられた
人は殺せる、殺したら変わる、という発見
最悪なんだけどこれはひとつの救済だろう
しずかの母さえいなくなれば、パパはママとまた仲良くなって幸せな家に戻れるはず
現実は、不倫をやめたからってすぐ元に戻れるほど、家族は簡単ではない
結局何も変えられずまりなは死んだ
そう考えると、初期しずかの死だって救済だった
このような、歪んだ救済を進めていくのが物語のパターンと読んだ
彼は、母の期待通りに能力を発揮できず、母の愛を感じられないのを問題と感じている
1. 彼が兄をしのぐほどの能力をつけ、母を満足させる
死は救済。これはしずかもまりなもそうだった。
これは兄がグレたり、犯罪者となるパターン。具体的にはまりな殺しの罪を引き受ける、もしくは犯人に陥れられる
兄さえいなくなれば母は自分だけを愛するはず、という考えはあり得るだろう
実際は、兄が潰れたって母の愛が東君に移ることはないのは自明だが、東君はそれを期待する、というのはこの物語ではありえる
でもさすがに死に過ぎなので潤也は死なないと考える
4. 母が死ぬ、もしくは母が壊れる、または完全に母に見限られる
愛して欲しい人がいなくなったら、もう母の愛なんか求めなくてもいい。母の死の線は薄いとすると、具体的には、母の病院の信頼の失墜、もしくは病院の全焼などが想定
東君が殺人犯と評判になることでも満たせるので、さくっと警察に行けば母への当てつけになるので、それでもOK
ただ、兄が割って入ったのを見るとストレートに自首はないから、証拠品の病院保管、それをしずかが密告、などもあり得る
実際は母がいなくなっても何にも満たされないんだけどね
母さんなんか嫌いだ、と思い込んで自ら母を捨てればもう母を求めなくて済む
しずかのキスと抱擁は。東にとっては十分すぎるほど母の代わりとなる事象だった
要は母や兄、家から逃げ、しずかの元に行くことが救済となるので、しずかが救いの女神である
つまり、東君は非行、まあ、殺人したというならそれは十分な非行なんだが、それに留まらず母や家族を避けるほうに動き、不良少年になっていくのではないか
もちろんこれは全てから目をそらした逃避でしかなく、負け戦の碁盤ひっくり返しみたいなもんで、もちろん解決じゃない
なんか難しそうなお話
正直、タコピーというキラークイーンが町中爆殺して時間戻してるからだいたい合ってる