私はもっぱら読み専だったのですが、ある作品にドハマリし、いきなり創作意欲が湧いてきて、書くというよりは書かされているといった方が近いような勢いで二次創作を書き上げてしまいました。
自分の「好き」をありったけぶち込んで作り上げたモノにはそれなりに愛着があり、せっかく出来たんだから発表しようとしましたが、ここでひとつ問題がありました。
私は自己肯定感がとっても低いのです。
自己肯定感が地よりも低くなるとどうなるかというと、作品を好意的に評価されても額面どおり受け取れなくなるのです。
大昔、個人サイト全盛期の頃、ちまちまと小品を作って公開したことがありました。オンラインで友達になった方やサイトを訪れた方から褒められると、「私に気を遣っているのではないか」「私と交流するために閲覧しているだけではないか」と、どうしても「評価されるはずがない私」というフィルターがかかってしまい、自己嫌悪に陥るばかりでした。
最初は純粋に楽しくて始めた二次創作もだんだん辛くなってきて、それで読み専になったのです。
久しぶりに出来た二次創作も、このまま普通に発表すると、たとえ高評価を得ても「私なんかの作品が褒められるはずがない」と落ち込み、作品を晒しておくのが辛くなるのが目に見えています。
そこで私は、本垢とはまったく別の垢を作り、そこで公開することにしました。ブクマもフォローもしない、作品だけを置いた垢です。
ありがたいことに「好き」と書き込んでくださる方がいました。「私」という存在を無にした状態で作品を褒めてもらえるのは、作品単体をまっとうに評価してくれた気持ちがして、とてもスッキリしました。
私は私自身を好きになれません。でも私の「好き」を詰め込んだ作品は好きです。「私」という人格と作品を切り離して初めて、そう思えるようになりました。
本垢とは別の、秘密の創作垢を作ることで、二次創作を公開した後の自己嫌悪が薄れ、それからモリモリ創作できるようになりました。本垢ではそこそこ交流しますが、創作垢ではしません。
作品の公開についての問題は解決したのですが、本垢で活動しているとたまに私の作品についての言及を耳にすることがあり、「それは私が書きました」とも言えず、スルーしています。なんだかみんなを騙しているような気がして少し罪悪感があります。文章のクセなどで実は私が書いているとバレているのではないかとヒヤヒヤしたりもします。
正体を明かすと、安住の地を奪われるような気がして怖いです。でも、仮面をかぶって活動することにも後ろめたさがあります。
この秘密は墓まで持っていくつもりですが、ひとりで抱えておくのもだんだん辛くなってきたので、ここで吐き出すことにしました。
解決法は求めていません。このジレンマは解消する手段が無いことは承知の上です。誰かに話を聞いてほしかっただけです。
ただ、こういう感じで秘密の創作垢を持つことってよくあることなのか、ちょっと気になります。もし、そんなに珍しいことでもないのだとしたら、私は少し楽になるかもしれません。
ここは河原の葦ですかい先生よぉ