ドラえもんに、のび太がひみつ道具に頼ってテストを切り抜けようとしたか何かで、最終的に自力で対処することにしたのか、ママに「30点も取れたの、よかったわね」と褒められておしまいというエピソードがあった。もう細部はだいぶ忘れたのでこんな書き方になってしまうが。
これはしばしば言われる「他人と比べるより過去の自分と比べよう」を想起させる。他人、まあ当然のように100点取ってそうな出木杉あたりと比べりゃ30点なんぞハナクソみたいなもんだが、0点コレクターののび太にしてみりゃ自力で30点取ったのは大したものであろう、そりゃ。かくて彼の自己肯定感が育まれ…
イヤ、でも。そうは言ってもお前30点だろ。親子してそんなんで喜んでる場合かよ。
俺はこのエピソードをそのようにしか受け取れない。中学受験のため小学校生活の後半を進学塾通いに費やし、成績が悪いと連帯責任でクラス丸ごと正座で授業を受けさせられ、さらには講師から帝國海軍の甲板整列よろしくケツバットを頂戴仕り、苦労の甲斐あって入学した進学校にも学内の成績によって歴然たるカーストが存在しており、定期テストで30点にも満たないような赤点を叩き出したりと底辺に甘んじた俺はやはりハナクソのような扱いを受け…という、曇りガラスの十代であった。常に他人との競争であり、成績上位の者が勝ち組で、最終的に東大や地元の旧帝大合格者こそが価値ある生徒だった。過去の自分との比較などに甘んじる余裕はどこにもなかった。
まあそんな自分語りはどうでもいい。いくらね、当社比で成績向上したといってだ。常に他人と比較「される」のだよのび太くん。自力で30点も取れたぞ、なんてのは自己満足もいいところなのだ。シャブ中が壁に向かって「俺かめはめ波撃てるぜぇ」とヘラヘラ笑ってるのと変わらんのだ。
かわいそうに、自己肯定感がほしかったんだね
いつも0点しか取れない子供がいたとして、30点取れたよと報告しにきて、70点は取れよ馬鹿とか言えるか? そんな親はもちろん世の中に多いと思うけど俺が親ならよく頑張ったねと言う...
元増田だが自分の親はそういう人種だった。というより何ひとつ褒められた記憶がない。 そして俺自身もそういう人種なので、いまだ独身だが我が子がそんな点数取ろうものならやはり...