大手の上場企業に勤めている。上位10%に入るタイプの人間だと思う。
だからといって、世間と隔絶した生活をしているわけじゃなく、コンビニで電池を買うし、チェーンの喫茶店にも行くし、そこら辺のカラオケに行ったりもする。
すると、底辺・底辺・底辺。そこで働いている人がみんな底辺で、気疲れしてしまう。給料が低いだろうし、ストレスも多くて、その水準から這い上がることもないんだろうな、と思う。良い会社は東京にあるが、東京で生活することは、あらゆるサービスを底辺に支えてもらうことだ。そのアンビバレンツに身が裂かれそうになる。
このお話は、童謡や物語によくある「王様が庶民の暮らしぶりをみて落胆する姿」を描いている。お金がありモノや自由にゆとりがある人から見て、日頃接する庶民の貧乏さ余裕のなさに感慨ふけっているのがよく読み取れる。王様は決して庶民を見下したいとは思っていない。ただ、自分の周りになぜこんな人々が多いのかと嘆き悲しんでいるのだ。
地位が低い人がそれを理由に不当に扱われる様は大変つらい、と。
だからこそ、この増田の意見はとおらない。あまり稚拙だから。王様の目線はあくまでも王様のものであり、庶民にまで下がっているわけではない。
実態をよく知らず、ただ己の価値観と違うモノを異質で変えないといけないものと思い込んでいるにすぎない。
物語では、こういう王様は部下や周りに対して「庶民が苦しんでいる。どうにかしよう」と進言するだろう。だけどそれを聞き入れる人などいない。王様には自分の目で見たものが真実に映っているが、正しいかどうかは王様以外にはわからないからだ。そもそも王様以上に知っている人ばかりなので、王様の意見など現実味が一切無いのはわかりきっている。王様自身が自分の経験のなさや知識不足を理解せず、自分の意見を聞き入れない人を「底辺に無関心なんだね!」と罵倒している様は滑稽だ。