最初の頃こそ、無駄な飲み会に使わない分自分のために好きなもの買えるじゃん!最高!とか思っていたわけだが、後も何ヶ月も経つとそもそもそんなことすら思わなくなる。
元より欲しいものはすぐに買ってしまうタイプではあるので、普通の人よりは物欲がある方だとは思う。
サブスクサービス課金や電子書籍なんかはすぐに手を出すし、自粛期間になってからPC環境や家電なども新調した、取り寄せのご当地グルメを楽しんでいたりもした。
しかし、同じ機能の家電品はそういくつも家には必要ないし、飯も1日に食える分量は限られている。勢いは最初の頃だけだった。
真新しいものに興味を持つきっかけである友人たちからの刺激も激減していったし、使いみちも殆どないなという結論が出てしまった。
特に自分は街に出た際の衝動買いへのハードルが上がったと感じる。
例えば、以前であれば良い服を見つけたときに「そういえばあのTシャツはもう古いし新調するか」と思って買ったりもしたが、今だと「別にヨレヨレのTシャツを着てても宅配の兄ちゃんくらいにしか会わないし、出かける場所もたかが知れているし新調しなくてもいいか…」となる。
顕著だったのが靴・鞄で、在宅勤務の割合が増えると靴も鞄も消耗しないので、結構高価なこれらへのコストがめちゃくちゃ減った。通勤電車とかで、他人の持ち物を見て「いいデザインだな、こういうのを持ちたいな」と思う機会も減ったからそもそも新調したいという欲求も消えた。
また、出先でちょこちょこ買いしてしまうペットボトルとか目薬とかそういうものもほぼなくなった。この後の予定ないし家まで我慢すればいいじゃんという状況が増えたからだ。
とにかくちょっとした買い物に対して不要のジャッジを下すまでの速度がとんでもなく早くなってしまったと感じる。
生きるための最低限で良いでしょ、なくても暮らせるでしょといった思考は自分にとっては恐れるものだ。
欲や現状を変えたい気持ちがなくなるということは、人生が打ち止めになってしまっているし、頑張る意味がなくなってしまう。
今は減った支出を溜め込んでおいて、将来何かまた活気が付いた時の資源にするべきなのか、もう活気がつく日なんてこないのか。そんなことを考えている。