2019-12-19

一人暮らしがしたかった

大学進学のとき一人暮らしがしたかった。

姉がいて姉の進学のときに既に大学に進む際にお金がかかるから公立にしてと言われていたのをずっと聞いていた。私が大学の進路を決める頃、姉は既に遠方で一人暮らしをしていて、無利子の奨学金を得たりはしたもののそれにはほとんど手をつけず、学業に専念しろバイトもせずに親の仕送りだけで生活して学業に打ち込んでいた。ただ、かなり遠方で何かあったときに駆けつけるのが大変だからと反対していたところを親の反対を振り切ってそこまで行っていたらしい。

公立ならいいよと昔から言われていたので、一人暮らしがしたかった私は遠方の国公立大に行きたいと言った。しかし、それは許されることはなく、結局私は実家から通える大学に進学した。

からふわっと聞いた話だが、姉が親の反対を振り切って親戚もいない遠方に行ったため、私まで一人暮らしをさせることができなくなったらしい。それは仕方がないことだとは思う。私はまあまあ勉強はできたがとても優秀というわけではなく、姉のように無利子の奨学金が取れるほどではなかった。今の時代奨学金なしで大学に行かせてもらえるだけありがたい話だ。

でも、一人暮らしを反対されたとき、未だに母親から言われたことが未だに心に刺さったものが抜けない。

「お前はダラしないか一人暮らしなんて絶対無理から駄目」

かに部屋は片付けられないし、決してダラしないということは否定できる身分ではなかった。当時は心の中で怒ったものの、自分の身の振り方を思えば反論はできなかった。反論を覆すだけの努力ができるほどの熱意もなかった。

今、私は就職して一人暮らしをしている。就職の際遠方に行くことを反対されなかったのは、やはり大学の頃反対されたのは金銭的な問題だったのだろう。

その一方、母親の言ったことは未だに心に刺さったまま抜けない。ダラしないから無理、そこだけが納得できない。今はちゃん毎日寝坊せず出勤し、部屋は相変わらず汚いものの水回りなど定期的に掃除をし、週の半分程度は自炊をして生きている。なんだ、ちゃんとできるじゃないか

後輩はしょっちゅう寝坊して大学の授業に遅刻したと言っている。せっかく買ってもらった炊飯器も埃を被り、中には過去に炊いた米の残骸が出てくることもある。公共料金の支払いを忘れてライフラインが止められる予告が来たなんて話も聞く。恋人の家に泊まりに行ったとき、水回りのあまりの汚さに絶句して一緒に掃除用具を買いに行ったらこともある。

私よりダラしない人たちが一人暮らししてるのに、何故私はダラしないか一人暮らしなんて無理って言われたのだろうか。きっと一生わからないだろうし、わかりたくもない。せめてそんなことを言わずストレート金銭的な事情でと言ってくれた方が、こんなにも悩まなかったのに。

悪い親ではなかったが、おそらくこの先当たり前程度の付き合いしかするつもりはない。大学を出させてもらった程度の恩は返すけど、できれば実家には戻りたくない。大学在学中に地元がそれなりに好きになって地元に戻りたいなとは思うようになったが、あの実家には帰りたくはない。

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