大学時代、の話。「お前奨学金で大学行ってどういう人生送るつもりんだ」って父に詰問されて狼狽えていたとき、母が助け船を出してくれた。
「この子は悪いことにお金を使い込んで借金したんじゃありません。お店の女の子に貢いだとか、そういのじゃないでしょうに!」
長かったすねかじりの時代が終わって、最近ようやく就職までたどり着いた。就職しても生活はあまり変化なし。ただひとつ、風俗が趣味なったことを除いて。
なんていうか、最高に楽しいんだよね。かわいい風俗嬢に流行りのアニメキャラのコスプレ衣装を持ち込んで着させるのがさ。お金はちゃんと生活できる範囲でやりくりしてるから、大丈夫だと思う。奨学金も返してるよ。ただ、周りの人たちが登山やら草野球やら健全な趣味をはぐくんでいるのに、ぼくは誰にも言えない秘密をため込むばかりでいいのかなってちょっと怖くなる時があるんだよね。
思春期にもエロ本一つ親バレさせない、自家発電だって隠し通した(と思っている)繊細な息子だった。いまとなってはコスプレ風俗マニアおじさんと化した息子の痴態を母が見たらなんていうかな。こんな想像バカげてるけど、知りたい気がする。若干興奮する。すべてを破壊してしまいたい。そんな衝動に襲われることがある。こんな気持ち大丈夫なのかな。
父には文句言わせんぞ。お前の風俗通いはブラウザの履歴と写真オプションの生写真で全部知ってんだぞ。まあ、尻穴趣味という極めてノーマルな嗜好だったが。