なんとなく働き方改革関連法案と生産性革命やら女性活躍のつながりがぐちゃぐちゃになってる感があったので、自分の知識の範囲で整理してみます。
まず、現在の政府の課題は「少子高齢化社会の中で豊かさを維持すること」であり、ここでの「豊かさ」とは単純に「1人あたりGDP(国内総生産)」のこと。
ここで上式の右辺を変形すると
となり、さらに
・GDP/労働者数 とは労働者1人あたりが生み出す価値、すなわち「労働生産性」
・労働者数/人口 とは人口に占める労働者の割合、すなわち「労働力率」
よって
となるわけです。
こういう理由で、「豊かさを維持するためには、労働生産性と労働力率の向上が不可欠」と結論付けられます。
このうち、「労働力率の向上」を担当するのが「女性活躍」と「高齢者の活用」です。「高齢化社会で生産年齢人口(要は若者と中高年)が減ってくけど、女性と高齢者が働いてくれればなんとかなるよね」ってことよね。たまに移民やらなんやらが出てきます。
残った「労働生産性の向上」を担当するのが「生産性革命」「働き方改革」となるわけですが、ここで私は今の政府の政策に不満があります。
さっき書いた通り「労働生産性=GDP/労働者数」な訳です。ぶっちゃけ「売り上げ/従業員数」ですよね。考えるべきは「どうやったら売り上げが増えるか」と「どうやったら少ない従業員で回せるか」の両立です。
これを考えた結果が「裁量労働制の拡大」や「高度プロフェッショナル制度の導入」ってのは、全く腑に落ちないのですよ。やるべきことは「(Amazonの無人コンビニみたいな)省力化技術の導入のための投資」やら「消費者全体の所得の向上」だと思うのですが。。。
また、「生産性向上のために解雇規制の緩和を」なんて声も漏れ聞こえますが、解雇すれば労働者数が減るので労働力率が下がります。労働生産性が上がっても労働力率が下がればGDPは増えません。典型的な「全体最適を考えない部分最適」だと思うのですが。。。