四天王がいるという国に出向いた俺は、そこでリ・イチと出会う。
後に仲間になるメンバーの一人だ。
リ・イチ「私はリ・イチ。この国で重役を務めております」
この頃のリ・イチは、こんな声だったんだな。
な、そう思うよな?
そして面倒くさい政治のゴタゴタを掻い潜り、俺は四天王の正体を暴く。
大臣「無駄だ、ヴェノラ。お前のニワカ仕込みの剣技では、ワタクシの槍を捌くことはできぬ」
ヴェノラ「くそ、なぜだ。上手く間合いを保てない」
大臣「当然だ。槍のほうがリーチがあるからな。しかもワタクシの槍は特注品で25メートルある。お前の学校にもあるプールと同じ長さだから分かりやすいだろ」
ヴェノラ「なんてこった。そんな長い槍を避けつつ、俺の攻撃を加えるなんて無理だ……」
もし挫折しそうになったら挑戦そのものを放棄するので、実質挫折していない。
危ないことや、やりたくないことは出来る限り避けてきた。
そんな俺にとって、放棄することが許されないチャレンジは酷く不当に感じられた。
大臣「ハハハ、文字通り手も足も出ないようだな。これまでの奴らも、そうやってこの世を去っていったぞ」
ヴェノラ「何て嫌な奴なんだ。何とかして、こらしめてやりたい! 溜飲を下げたい!」
その時、神に与えられた独特なパワー、『ジャストコーズ』が発動する。
大臣「な、ワタクシの槍でダメージを1も与えることができない!?」
ヴェノラ「そもそもダメージを受けないなら、避ける必要もないということだ。これで終わりだ大臣! いや“元”大臣!」
大臣「ぐわあああぁぁぁ負けたあああぁぁぁ……ワタクシの完敗だ。お前はすごい」
こうして俺は溜飲を下げ、この国に平和をもたらしたのだ。
ヴェノラ「いやあ、溜飲が下がった、下がった」
だが、いつまでもそうはしていられない。
俺には使命があるからだ。
ヴェノラ「王さま、この国のように、四天王によって人々は苦しんでいる。俺はそいつらをこらしめなければならない」
国王「そうか。ならリ・イチを連れて行け。魔法で大体のことはできるので頼もしいぞ。ただし時間外労働は拒否するから注意しろ」
リ・イチ「よろしくヴェノラ。大臣が四天王だったショックから未だ抜け出せませんが、あなたについていきます」
こうして俺は新たな仲間を引き連れ、次の四天王をこらしめに旅に出るのだった。
これが第2話のエピソードだな。
こうして異世界に来てしまった俺は、何をすればいいか分からず四苦八苦していたんだよな。 ヴェノラ「よし、とりあえず異世界に来たらステータスを確認しよう。こうすればウィンド...
やあ、画面の向こう側にいる皆。 ご存知、俺はヴェノラだ。 この物語の主人公であり、今回のおさらい編の案内人も兼業しているぜ。 ちゃんと給料も出るし、労災とかもおりるから...
小エピソード:転生前の性は上野原だったが異世界ではあまりない発音だったので今の呼び名に落ち着いた
≪ 前 この頃、俺は自分の基本的なパワーにマンネリを感じていた。 ジャストコーズはあるものの、これはいざというときのパワー。 それに頼るだけでは、戦いに幅がなくなると考え...
≪ 前 冒険を経て、俺は成長していった。 第7話と第8話における俺の活躍は、その集大成ともいえた。 ウロナ「ヴェノラ、どうやら問題が発生したようです」 ヴェノラ「じゃあAをBに...