http://anond.hatelabo.jp/20170207184136
週末に解説とか悠長なこと言ってないで、俺が全部にツッコミ入れ終わる前に何か書いたほうがいいよ。
著作権法38条1項によれば、①非営利で、②料金を徴収せず、③演奏者に報酬が支払われない場合、という3つの要件をすべて満たせば、JASRACに無断で公に演奏しても構わないとされている。
チャリティーコンサートがこれを満たすのか、ではなく、「チャリティーコンサート」と名乗ったコンサートが本当に3要素を満たしていたのか、が争われた内容。
被告らは,本件各演奏会の第1部に関しては,著作権法38条1項が適用されると主張する。
しかしながら,前記1認定のとおり,本件各演奏会は,全体として一つの演奏会であって,第1部と第2部に分けることはできないし,平成11年6月27日開催分までについて,第1部は無料,第2部は有料という明確な区別があったとも認め難く,平成11年7月以降分に関しては,観客から直接入場料名目の金員を徴収することはなかったものの,寄付金を集めており,これは,著作物の提供について受ける対価と認められる。
また,被告会社が主催する本件演奏会(2)については,被告会社の事業として行われていたものと認められる。
そして,弁論の全趣旨によると,少なくともCに対しては平成13年2月11日より前は出演料が支払われていたものと認められる。
そうすると,平成13年2月11日より前の時期について,第1部のみを取り上げて著作権法38条1項を適用することはできない。
(平成13年2月11日以降同年6月24日までの12件に関して)
上記認定のとおり,本件演奏会(2)については,被告会社の事業として行われていたものであって,寄付金という方式で対価を徴収としていたものと認められるから,Cに対しても出演料が支払われていないからといって,著作権法38条1項が適用されるということにはならない。
何回もコンサートを開いてきて、いろいろ言われて名目を変えたから判定が多岐にわたっているけれども、寄付金が入場料と認められた経緯については
平成11年7月以降の演奏会に関しては,被告会社は,寄付金を徴収し,寄付した者に対して,記念のパンフレットやプログラム等を渡していた。
という事実で認定されたのだし、第1部と第2部が実質一体という判断も
パンフレット及び入場券には,演奏会が第1部,第2部の構成になっていることやアマチュアの団体の出演分に関しては入場料が無料であるというような記載はない。
とか
演奏会のチケットやパンフレット,演奏会場の予定表には,アマチュアの団体が出演する第1部とCが出演する第2部に分かれていて,第1部は無料,第2部は有料であるとの記載はなく,むしろ,Cが出演する一つのコンサートであって,そこにアマチュアの団体が特別出演するとしか認識できない。
(第1部と第2部を分けるアナウンスをして、検札していたという主張に対し)
さらに,①証拠(甲13,26)によると,原告職員が確認に赴いた演奏会においては,上記のようなアナウンスはなかったことが認められること,②演奏会における会場の収容
人数は,後記認定のとおり多数であることからすると,第1部と第2部との間に入場券を所持していない者に対して入場券を購入させることが実際に可能かどうかはなはだ疑問である