外部刺激に対して生物が反応して動くことを走性といい、てんとう虫が重力に逆らって枝を登ることを「負の走地性」と言ったり、羽虫が光源に向かって飛ぶことを「正の走光性」と言ったりする。
「正の走西性」は、先ほどテレビを見ていてたまたま今シーズンのテラスハウスがハワイでやっていることを知り、西洋へ憧れる日本人を揶揄して私が勝手に思いついた言葉である。
しかし、なかなか良くできたコンテンツだと思ったのである。もちろん番組の内容が良いという意味で言っている訳じゃあない。純ジャパ(純粋な日本人)が少なからず抱いている西洋への憧れを絶妙に突いてくるな〜と思ったのだ。
これまでのテラスハウスは国内で撮影されていたようだが、今回の舞台は海外で、しかも日本人にとって近くて遠い、想像がギリギリまだ及ぶ範囲で、画になりやすい南国ハワイというのが絶妙なチョイスでやるなと感じた。
国内では表現できなかった非日常がハワイにはあり、それがまた視聴者の憧れを強いものとすると思う。ファーマーズマーケットでフレッシュなフルーツを食うとか。
キャストも全員?ハーフで英語ペラペラ。ウェーイ系の人間が憧れる日本語の中に英語を織り交ぜて話すあの感じ。欧米かぶれの純ジャパ留学生がみんなやるやつ。
その中にも女慣れしてないけどギターが超絶うまいとかいうキャラもいて、モテない男も微妙に自分を重ねつつ妄想ができる。「自分がああなりたい」と「あんな人を相手に恋愛がしたい」のどちらの面から見ても、若い視聴者の憧憬・妄想をこれまで以上に強く掻き立てていることと思う。