この時期になると、自分の思う道こそが正しい道だ!と信じた学生が、また一人教室から旅立っていく。
その様子を見ていて、「試験は夏にやった方が良い」と思うようになった。
この国試の受験資格は大学の関連する学部卒が必須であり、誰にでも広く受験資格のある試験ではない。
裏を返せば、国試に合格し、免許を取得できなければ、世間を納得させる就職はできない事の方が多い。
また、大学受験浪人生の1年とは違い、20代中盤での1年はその重みが違う。
それはたぶん、冬のせいだ。
もちろん、大前提に、大学受験のような上を目指すために浪人したのではなく、
たった一つしかない目標を達成できなかったせいで浪人するような人間なのだからというのがベースにはあるが、
寒さが精神状態を下降させ、厚着が動きや考えを鈍らせているに違いない。
さらに、寒さが増して行けば試験日も近くなり、意識せざるを得ないようになるから、ますます追い込まれることになる。
試験日が近づくことのプレッシャーは、どの季節に試験を行っても解消できるものではないが、
7月の街全体が浮かれ始める時期に試験実施と定めれば、旅立つ学生も減るのではないだろうか。
話は変わるが、思い返せば高3の冬、
仲良くなった友人と過ごせる時間の終わりを意識する中で、お互い頑張ろうぜ!とはいうものの、
それぞれ別の方向へ進むための今を過ごしているという雰囲気が嫌いだった。
もし、高3の7月3週目ぐらいに試験が行われていれば、満足いく結果を出せれば7月4週目から、浪人が決まっても8月2週目ぐらいから、
最後の夏を楽しむことができ、
秋になれば、「第一志望には合格したものの、このまま大学へ行く以外の道もあるのではないだろうか」などと、思いにふけり、
冬になれば、いよいよ仲間と過ごせるわずかな時を大切にしながら、高校生活送れるであろうから、夏の試験が良いと思ったが、
これを書いていて、「でも、落ちた場合は、夏は楽しめるかもしれないけど、それ以降は卒業までずっとモヤモヤしながら