つらいとき。
つらいときは明るい人に触れたくなるよねぇ。
明るい人というと、ある友人に会いたくなる。
私は昔、頼ることとかよくわからなくて、
どこにも何も支えのないような気がしてた高校生だったけど、あのとき友人Pさんが私にしてくれたことで、
きっと明るいしずくがぽとんと心に落ちて、私はすこしましになれたんだって思う。
だから今もたまに、つらいときはあの時みたいな明るさを求めてしまうんだな。
Pさんは、とても明るく優しい人で、私がささいなことでその時までの人生史上もっともつらい気持ちを抱えてた時に、
わざわざそんな生き物を気遣ってくれたんだ。
そんなきみに私は生まれて初めてまともに、人に相談ごとなんてしたんだ。
「内緒にしてね」と言った話がいろんな人に話された時、もう人に重要な話はしないと決めていた私が。
(それ自体はもう忘れたけど、そのことはとっても悲しかったのだ)
某年某月某日、私はPさんがいつも遊びに行くという街へ生まれて初めてゆき、
そこで互いにいろんな話をした。
たったそれだけのある1日で、私は今までにないくらい救われた気持ちになった。
人に話すってことは、相対的に自分の話が見えたり、知らなかった角度から事が見えたりすることなんだって知った。
生きてるといろんなつらいことがあるけれど、きっとみんな、そんな時も我慢してつらいって言わない人の方が好きなんだろうって。
だから、人に何も言いたくないっていうのもあった。
「沈黙は金」だね。
今思えば、時と場合によるけれど、これは人の世では完全な正答とは言い切れない価値観だと思う。
Pさんだって、明るいけれど、だからっていつでもみんなの心を励ます側でばかりはいられないはずだったのだ。
きっと誰かにつらいって言いたい時もあったに違いないのに、きっとみんな
「そんな時もつらいって言わない素敵でいつでも明るいPさん」のことが好きなんだろうって思ったら、
なんだか世界が冷たく思えた。
それじゃあPさんのことはどうやって救えばいいんだって思った。
どんなに我慢したって、誰も知らないままになってしまうじゃないかって思った。
わかるよ、落ち込んだ時に落ち込んだことを吐露すると、なんだか弱くなったような、
そのまま気分のグチャグチャに飲まれてグチャグチャになってしまう自分が嫌だってような
気分になるよね。それは嫌だよね。もちろんそんなままでずっとは居れない。
そんなままでいると鬱とかにもなるわけだよね。
だからその時の私も、せめて一緒に笑うことしかできなかったわけだけど。
でもさ、「つらい時にもつらいって言うのは我慢しなくちゃ」って、
そういう自分の方が、みんなに安心してもらえるからっていうのはさ、
そんな思いでずーーーっといたら、
もうね、何を守って、何と戦って、誰のために生きてるんだろう、何をそんなにまで気にして生きてるんだろうって気にもならないか?
そんなままでずっといたら誰だって苦しさどうにもできなくなるだろう。
私が、つらい思いは死ぬまで言わないで生きていきたいと思ってたって言ったら、
Pさんは「おまえは人生があと何十年あると思ってるんだ?」って言ってくれた。
無理です。無理でした。
Pさんみたいな明るい人にだってつらいことはあるのに、
私のような生き物にそんなことが成せるはずもなかった。甘かったよね…!スミマセン!
そんなたった一言で、「そーだよね。そりゃ無理だ、つらくもなるよね」ってバカみたいに目からウロコだった。
そのあとPさんも「私も、聞いてくれる?」って、いろんな話をしてくれた。
私はね、Pさんがつらいって言ってくれた時うれしかったよ。
私もね、そういうの話してくれて嬉しいってあなたが言ってくれた時嬉しかったんだよ。
「支えになりたかった時になれなくてつらかったことがあったから」って言ってくれて、
ああそういう思いも世の中にはあったんだなって思ったよ。
他の言葉もたくさん心に響いたよ。
人に本気でなにかを話してもいいことないし何も変わらないって思っていたあの頃の私にとって、
あの時のほんの1日のことは、ほんとに私の人生レベルで大きなことだった。
ときを重ねるごとに、すごく思うよ。
確実にあの頃よりかは人にものを話せるようになったよ。やり方が合ってるかは難しいときもあるけど。本当にありがとう。
そして。
優しい人へ。
つらい時つらいと思うことは、故障ではないんだよ。
そんな時もつらいつらいにとらわれたくなくてがんばりたい、
そんなあなたも好きですが、
世の中にはそんなあなたに心が軽くなってほしい人間もいるのです。
つらい時はつらいってことはとりあえず認めてしまおう。
できたら誰かのことも味方になってほしいなって思ってくれたら、うれしいな。
(なんて回りくどい文章なんだ)
「いつも泣いてる人になれ」って言うわけじゃなくて、なんていうか、
冷静になれない時まで冷静でいようとしないでほしいんだ。
冷静になったら泣き止めるはずだからさ、泣いてもいいじゃんか。
いいじゃんか。
こんなほんのちょっとした文章しか書けないわけだけど、あの日Pさんが私の心に落としてくれた明るいしずくが、
今になって、私を通して少しでも誰かの心を救えたら、
なにか少し救われます。というような気がして、書き留めてみた次第です。
これを読んだみ〜んなにいいことがありますように!