2016-06-03

忘れられない残業の思い出

専制君主は臆病な人間だ。臆病で怖いか専制君主になる。

怖がれ怖がれ。もっと怖がれ。

 

才能があったり、優秀な人であったりする人に対し、条件反射的に

暴言を吐いたり、意地悪をしたり、攻撃する人がいる。

平気で人に暴言はいて、意地悪できる人が、今、周囲に4人いるんだよね…はあ~

http://anond.hatelabo.jp/20160603002230

では溜息を吐いてる君のために

オレの思い出を話すことにしよう。

 

 

「俺がすべて決める。おまえらは俺の命令に従うことだけ考えろ」

 

毎日そう言い続け、怒鳴り続けていたのが会社常務で、妻が専務

社長常務の妻の母という典型的同族会社でオレはバイトをしていた。

職場常務の前では戦々恐々としていたが

常務に信頼されていた年長従業員職場にいたおかげで

なんとか職場は持ちこたえていた。

 

ある日、専制君主だった常務が突然体調を崩し入院した

そしてそのまま休職し、二度と会社には戻らなかった。

常務病院スパゲティみたいにチューブだらけの体になり

8か月苦しみ抜いて死んだ。死因は胃癌だった。

死んだあと葬式があったが

出席した従業員は一人もいなかった。

  

葬式の日、従業員は口裏を合わせ

会社で一番優秀な従業員職場派の年長従業員

ふたりそろってわざと大きなミスをした。

そして葬式出席命令を出した専務社長にこう言った。

 

今日はめずらしく○○さんと私の大きなミス

みんなで残業しなければならなくなりました。すみません

 

そうやって職場従業員全員で葬式ボイコットしたのだ。

その日ほど明るく、楽しく、笑い声の多かった残業は無かった。

これが最後残業になる

最後残業にしなければならない

同僚はみんな口には出さずとも

心の中でそう思っていたのだ。

  

そして最後残業のあと

従業員一同は葬式には行かず

酒場宴会を開きみんなで祝杯をあげた。

それは人生で一番うまい酒だった。

  

常務! どこにいるんです? 飲んでますか?」

常務! 飲んでください!」

「遠慮しないで飲んでください常務

わたし常務におごります!」

「どうしたんですか常務!? 元気ないですよ」

常務は酒の飲みすぎで死んだよ」

「えっそうなの?」

効果の無い抗がん剤たっぷり使ったせいで、ムダに苦痛が長引いたそうだよ」

「その病院医者はえらい!」

「やったな!」「乾杯!」「カンパーイ!」

  

こんな感じで宴会はもりあがり

同僚みんなで大爆笑した思い出は

オレの人生の最高の思い出となった。

 

その日の「抵抗残業」がきっかけになり

もう誰も会社残業命令に従わなくなった

半年後、同僚全員が次の職場内定を決め

一斉に退職願会社に出した。

 

あれから21年が経つ。

風の噂では社長は死に、専務も死に

従業員技術生産力に依存していた会社

労働力を確保できず自滅して解散したらしい。

だが会社があった場所には

常務が生きていた頃の会社看板

かつての従業員の恨みがまだ残っている。

いまはもう、常務がなんという名前か思い出せない。

思い出すのはあの葬式の日の残業

宴会で見た同僚の笑顔だけだ。

 

   

記事への反応 -
  • 才能があったり、優秀な人であったりする人に対し、条件反射的に 暴言を吐いたり、意地悪をしたり、攻撃する人がいる。 コンプレックスの塊なのかもしれないが、いくら劣等感を抱...

    • 専制君主は臆病な人間だ。臆病で怖いから専制君主になる。 怖がれ怖がれ。もっと怖がれ。   才能があったり、優秀な人であったりする人に対し、条件反射的に 暴言を吐いたり、意...

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