2015-12-18

町の将棋道場での話 その2

http://anond.hatelabo.jp/20151217152521

のつづき。

「え、お金がもらえるんですか?」

女性真剣な口調で説明してくれた。

勝敗関係なく対局料がもらえるという。

半信半疑のまま、女性に連れられ小綺麗なオフィスへ通された。

そこにはパソコン教室のように20台ほどのパソコンが並べられ

パーティションが区切られて隣同士が干渉しないようにスペースが作られていた。

各地にこういったスペースがあってオンラインで繋がれており

独自レーティングシステムによってオートマチングされる仕組みという。

中には自宅から接続することを認められている人もいるという。

「あ、スマホは窓口で預けてね。タブレットとかノートパソコンとかも持ってたら預けて。」

女性が詳しい話を聞かせてくれた。

将棋好きの金持ち道楽で、第二の羽生を発掘し育てるべく作られたシステム

24や道場将棋大会奨励会員まで幅広く集めている。

御存知の通り奨励会には年齢制限があり、規定に達せずに退会するものも多い。

しかし棋力のピークが奨励会年齢制限よりも上になることもあるはず。

また才能がありながらも将棋一本でやっていくには不安があり、プロ棋士目指すのを諦めてしまう人もいる。

そんな人達を集めて第二の将棋連盟を作ろうとしているというのだ。

個人認証用のカードを渡される。

「これをリーダーに通してあとは対局するだけ。勝てば多く対局料をもらえるし負けてももらえる。ただし棋譜は都度解析されて不正ができないようになっているから。」

さっそくパソコンの前に座りリーダーを刺す。

すでに自分名前レーティング入力されている。

画面は独自システムを構築しているようで初めて見るものだった。

対局を開始する。オートマチングなので少し待つと対局が始まった。

相手の名前は出ない。ということは向こうも誰と対局しているかはわからない仕組みのようだ。

入力された自分レーティングがやや甘かったのか、初戦の相手には勝利。

いくらもらえるかが気になったので聞くと固定ではないという。

不正がないかをチェックされた後、筋の良い手、悪い手をチェックされてそれらに応じて金額が変わるという。

当然筋が良い手が多ければそれだけ金額が高くなるし負けてもそれら評価が高ければ金額に反映される。

解析には時間がかかるようですぐには結果がでなかったがしばらくすると

金額とともに解析結果が閲覧できた。金額は500円ほどだっただろうか。

解析結果はいわゆるソフトでの棋譜解析で最善手や悪手、筋など改善点が見やすく表示される。

なるほど、これはかなり良いシステムだと思った。これなら強くなりたいと思うし強くなる仕組みができている。

「それとここにも退会規定があるの。年齢ではないけどレートの動きや将来性などを評価して決めている。向上心がなければ退会になって対局できなくなるわ。がんばってね。」

こうして”闇”奨励会員としての生活が始まった。

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  • 自分は24で4―5段。 ずっとネット将棋がメインだったが将棋道場に通いだしたのは半年ほど前から。 席主の人に非常に気に入られ週末よく通うようになった。 しかし平日は余り人がいな...

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