2014-12-17

夢の中でびっくりした話

わたしという人間は、ほとんど毎日欠かさず夢を見る

最近ではどちらかというと悲しかったり窮地に追い込まれるような脅迫感の強いものが多い

そんな中ではありながら、その日の夢は仕事で同僚とドライブ気分で向かった地方ガソリンスタンドで給油をしているという比較平和なシーンから始まった

のんびりとした風景の中、スタンド屋根に有名牛丼チェーンのオレンジ看板が掲げられていたことに気が付き、ここで食事をしようという話になったのだ

見慣れたスタンド建物に入るとこれまた見慣れたテーブルや自販機レジと一緒にお惣菜コーナーが置かれ、そこにつながる入り口から牛丼店に入ることが出来た

すこし独特なつくりをした店内はスタンドというよりもSAフードコートに近かったかもしれない

現実の有名チェーンとは違いそこでは先に食券を購入する必要があったのだが、券売機は小銭しか受け付けない作りで近くに両替機も見当たらなかった

あいにく手元には1000円札しかなく、しかたなく牛丼店の店員に両替してもらうと考え近づいていったのだ

カウンターに立つ中年女性に声をかけようとした時だった

突然その女性は、「うちはうどんはやってないよ!」とひどく不機嫌な様子で言葉を投げつけてきたのだ

そのあまりにも唐突であまりにも強い語調にひどく面を食らってしまったわたしは、逃げるように入り口惣菜を手に取るとスタンドレジ会計を済ませ隠れるように車へと戻ってしまった

それでも牛丼を食べ続けている同僚を残し、何かに怯えるかのように身動きが取れなくなったわたしは車内で一人その理由を考えていた

この辺りでうっすらと意識が戻ってきたわたしは、夢が終わってもそうして唐突に投げつけられた言葉をまだ噛み砕けないでいた

例えば今まで夢の中で突然襲われたり、目の前の崖を曲がりきれずに落ちてしまったりといった夢をみることは何度もあった

ただ、それらはある程度自分の中で起きては欲しくないこととして直前に予想されていることでもあった

しかし今回の夢の中で起こった出来事は、自分の中では全く予想のできなかったまさに突然投げつけられたものだったのだ

ここで気に掛かっていることは投げつけられた言葉意味ではなく、夢の中でありながら全く予想が出来なかったことで本当に驚いてしまったということだ

いくら考えても自分の中のどういった心の流れでそんな言葉をかけられたのかがわからず、珍しい夢を見たという感覚だけでは処理することができなかった

そうして一体その言葉を発したのは誰だったのかということを考えていくうちに、自分の中に別人がいるような感覚に襲われるようになってしまった

しまた眠りに落ちて同じようなことが起きてしまった時、自分は冷静のままでいられるのだろうか

夢を重ねるごとに自分コントロールできない出来事が増えてきてしまったらどうしたらいいのだろう

つの間にか夢の中だけで世界が作られ、その中で一切の自由が奪われる状態に陥ってしまったらどうしよう

今度夢の世界に足を踏み入れたら、もしかしたらわたしは殺されてしまうかもしれない

いや、この体を維持するために、二度とその世界から出してもらえないかもしれない

そうしてどれだけ眠れない日々を過ごしたかも、もう思い出せなくなってきてしまった

すでに今が現実か夢かさえ判断ができない

少しずつ意識が遠のいてきた

この世界に帰ってこられなくなるかも知れなくなる前に、その朝ふとんのなかでうんこをもらした原因をここに残しておく

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