二日目の夕方からは、ねぎらいってことで屋外にてトン汁とおにぎりに、お茶とつまみ程度のお菓子がでた。
秋の西日がキツクて目が眩んだからだろうか。
それとも格好をつけてオフメガネで現場に出たのがまずかったのだろうか。
トン汁が掛かっていたぐつぐつのなべの取っ手を素手で掴んで火傷を負った。
屋内のガスレンジで調理したならば、炎はなべの底だけ暖めるから取ってはそれほどの温度でもない。
しかし屋外で薪で見た目にワイルドに調理していたものだから、炎は取っ手を舐めていた。
取っ手のプラスチックは耐熱性があるのでまったく溶けていないものの、人の肉を焼くには十分な温度だった。
取っ手を掴んで1秒後あたりに尋常じゃない熱さに気がつくものの、そこで踏ん張らなければ今度は足にぶちまけてしまう。
なんとか根性でテーブルの上まで運んできたときには、かけがえのない人差し指の腹はいかにもな軽症火傷であった。
あまりに痛むので水道で十数分流したため、他のボランティアさんとは一緒に食事はとれず左手でおにぎりだけ喰った。
熱かったトン汁も、傷みがよりまして水ぶくれがはっきりとしてきた40分くらい後には、猫でもがっつけるくらいに温くて不味かった。
もともと非コミュなのに知り合い経由でいやいや参加したのに、一番コミュ力が必要なシーンでこれである。
皆が見る目がなにを物語ってるかは明白だ。
DQNっぽい風貌の奴がいるから、バカにしてくるかと思いきや、『大丈夫スカ??ああ水ぶくれか。冷やしてクスリぬっときゃそのうち治るべ。キニスンナって。』
気にしてるのは水ぶくれじゃなくて、オメーラの態度だっつーの。察しろよバカ。
っていてーな糞……
まるまる二日は痛み、三日目からは痛みは引いたもののぶっくぶくの水ぶくれ。
それでも、正直『ぶよぶよで面白いなー。へんなのww』とか自分の体の変態っていうかメタモルフォーゼに興味深々だった。
が、その余裕も水ぶくれが引いて赤黒く火傷跡が目立つ感じになってくるとなくなってくる。
醜い痕が残った。
嗚呼。
ボランティアなんて……。
もう固まってきているから痕は多分消えないと思う。気休めだ。
手のひらは特に皮膚が厚いので深い熱傷になりにくく、一週間程度で治ったなら紫外線に気を付ければ痕残らないと思う。 痕が残るような深度の熱傷は一か月くらい傷ふさがらないから...