2011-09-24

どうして僕は東北産の野菜を食べることができなくなってしまったんだ

3.11以降、僕は東北野菜を食べることが出来なくなってしまった。スーパーで安い、と思って手にとっても「宮城県産」やらの表記があると慌てて陳列棚に戻してしまう。結構そういう人も多いんじゃないかと思う。なぜだろう?


多くの人は何より素朴に「気持ち悪い」と感じるからだと思う。ただ漠然と怖い、と感じているんだと思う。「そういうバカが風評被害を起こすのだ」という人もいるかもしれないけど、小さな子供を抱える主婦に同じ事を言えるだろうか。言えるならばどういう根拠で言えるだろうか。いろいろ考えてみたけど、今ひとつ良い回答を僕は思いつかなかった。(この問題は合理的に納得出来るか、ということではなく、誰もが安心出来るかがポイントになっていることを断っておく。ちなみに僕は消費者は三秒で安全性を示されなければ安心できないと考えている。)

気持ち悪いの正体

「気持ち悪い」の正体って何だろう。この問題を考えない限り、消費者安心感を得ることも出来ないし、生産者から見た風評被害を抑えることもできないと思う。


僕の結論から書いてしまおう。

それは大事故の後にも関わらず流通システムが変わらない(変わったかからない)ことに対する漠然とした不安なんだと思う。

これほどまでに言論空間を通して(最近テレビでも)「東北野菜は危ない」という議論が展開されているのに、マスメディア小売業者も「風評被害を起こさないように」と報道し、「がんばろう東北フェア」みたいなキャンペーンをやるばかりで、以前と全く変わらず「宮城県産」のラベルを貼っている。その行為不透明消費者は怯えているんじゃないだろうか。汚染食材が出回った、という情報日常的に飛び交う中、どうして消費者安心して消費できるっていうんだろう。


いま消費者安心して消費するための明確な方針を失ってしまっているように思える。

今までは「日本国産」の野菜ならまぁ大丈夫だろう、という信頼に基づいて野菜を消費することができた。もちろんこれは、言論空間での知見をマスメディアが拡大した、「国産対非国産」、「農薬無農薬」みたいなわかりやすい安全確認コードのもとに成り立っていた。

しかし、現在ではマスメディアが「汚染食材流出」「風評被害に負けるな東北」といった矛盾するようなメッセージを流している。これでは消費者安心して消費することが出来ず、結果として風評被害を招いてしまうのも仕方が無いだろう。


この状況を打開するためには、問題である流通システムが変わらない(変わったかからない)ことに対する漠然とした不安感」を解消する必要があるのではないか

もちろんマスコミジャーナリズムとしての責務がある。安心させるために「汚染食材流出」を隠すなどといった行為はできないし、するべきでもない。

ならば出来ることは流通の透明化」だけだと僕は思う「こんな検査をしています」「放射能OK!」みたいなのを一発で示すステッカーを国や小売店が発行して製品に貼りつければいいじゃないか。「生産者の顔が見える○○」なんてできるくらいなんだから、そのくらい朝飯前のはずでしょう?どうしてやってくれないんだろう。そんなことをしたら何も売れなくなるくらい悪いの、なんて想像もしたくなってしまう。僕は東北出身で親戚も友人もたくさん東北にいる。もし状況がそれほど悪いなら教えて欲しいし、そうじゃないんなら宮城県産の野菜を買いたいのに…

小売店でも国でもいいので何とかしてください。

なんとか僕らにまた東北産の野菜を食べさせてください。

消費者を、被災地を助けてくださいよ。お願いしますよ…

  • その話と言えば、○国まいたけのロットごとに検査してHPで公開してるのはおもしろい試みだと思う (それでも、製造番号や製造年月日を打つのめんどくさいので、QRコードに製造番号情...

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