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結局その「政治的」か否かを判断するのは誰なんだって話なんじゃないかね。
「何事も政治と無縁ではない」は政治厨の偉そうなお題目だがことFIFA関係では一蹴できるものでもないと思うわ。
正直なところ今のタイミングの「スポーツに政治を持ち込むな」は「FIFAが許さない政治的パフォーマンスがダメだ」にしかならんのよ。
2020年アフリカ系アメリカ人のフロイドが警察に殺された事件に対してドイツのブンデスリーガで抗議パフォーマンスが行われた時、
FIFA President Gianni Infantino adds: "For the avoidance of doubt, in a FIFA competition the recent demonstrations of players in Bundesliga matches would deserve an applause and not a punishment.
(訳)FIFA会長のジャンニ・インファンティーノはこう付け加えた。「疑義を避けるために言えば、FIFAの大会においては、ブンデスリーガの試合での選手による最近のデモンストレーションは罰ではなく賞賛に値するでしょう」
全文を見るとこの直前に競技規則の適用は競技主催者に委ねられていると言った上でこう付け加えているので、つまるところ規則の罰則を与えないようにとFIFAが直々に示唆したわけね。
それでこれは「政治的」ではないんですかね?この会長、賞賛(applause)に値するとか言っちゃってますけど。
FIFAはSTATUESで人権の尊重(第3条)を掲げ、あらゆる種類の差別は固く禁じられ(strictly prohibited)る(第4条1項)としている一方で、
FIFAの目的に影響を与えるものを除い(matters affected by FIFA’s statutory objectives)て政治や宗教には中立を維持する(第4条2項)としている(FIFA STATUES 2022)。
これ自体は2020年時点でも存在しているのでフロイド事件の抗議についても政治的中立性を守らなければならないはずで、
適用除外に言う目的(statutory objectives)とは同第2条に制定されている目的が具体例だと思うが基本的にはサッカー関係の運用についてでありこの件で関係あるとも思えない。
これをFIFAが「政治的/非政治的」または「許される/許されない政治性」だと判断できるというなら何と傲慢な価値観だろう。
そもそもFIFAという組織が公式サイトに"SOCIAL IMPACT"という項目を作って、そこで政治団体のように"Sustainability"(持続可能性)"Safeguarding and Child Protection"(児童保護)"Human Rights & Anti-Discrimination"(人権と反差別)などと高邁な政治的理念を掲げている有様である。
あくまでサッカー競技の運営上必要だからだと言うならそれ以外の「政治をスポーツに持ち込むな」という理屈も分からんでもない。
「加盟団体や試合上の差別は競技の発展という目的上許さない。しかしそれに関係ない差別には何も言わない」のならそれはそれで一貫してもいる。
しかしFIFAときたら"SOCIAL IMPACT"などと言い出すのだからその理屈は罷り通らんってわけ。
会長は「西欧はカタールに道徳を説く前に3000年を反省しろ」と言うがよくもまあこんな状態のFIFAの人間がこんなことを言えるものだと感心したよね。
フロイド事件への抗議が許されるのはFIFAが大会中に行っている反差別デーとかいう政治的キャンペーンに合ってるからなんかね?
FIFAが掲げている政治的な綺麗ごとは正しくてFIFAに都合の悪い話は大会の場で排除されるべき「政治」なのか?
政治がそんなに嫌なら一々そんな高尚な政治的理念を掲げるなよ。なーにが"SAY NO TO RACISM"、"SHOW RACISM THE RED CARD"だよ。
それともこの明らかな西欧由来の「アタラシイカチカン」は非政治的で正しく中立的で普遍的な価値観なんですか?そりゃポリコレ超えてんな。
普段リベラルのダブスタや傲慢性を糾弾する人までもが、FIFAの欺瞞を無視して「FIFAも正しい」ってブコメに賛同してる様はあまりに滑稽だわ。