2023-01-03

脳筋魔法使いは進学したい』のUIちょっと凄くない?

【ローグライト】脳筋魔法使いは進学したい|なす太郎|note

ウディコンで1位取ってフリゲ2022で9位のゲームなんだが、このゲームの親切さはちょっと凄いな。

マウス操作ゲームだけど画面のほぼ全ての情報右クリック確認できる。

ゲームってプロが作った8000円のですらまず最初は画面に表示されているもの意味を手探りで把握していく羽目になるんだが、このゲームはそれが全部右クリックすれば分かる。

能力効果、基礎ステータス意味、次に起きる事柄ゲーム側がユーザーの方に提示することを選んだ情報ユーザーが受け取れないことがないようにする親切さが凄い。

たとえばフロムソフトウェアゲームなんかは意図的に「ユーザー側が情報を受け取りきれないように仕向ける」という部分があるんだが、多くのゲームはそういう目的もなく「ユーザー説明していないアイコン固有名詞を使ってユーザー説明した気になっている」というコミュニケーションエラーが起きる。

このゲームは画面に出ている情報に対してユーザーが「え?これ何?」と思ったら右クリックすればすぐにその答が出る。

たとえば画面に表示されている盾のアイコンクリックすると「ディフェンス攻撃によって相手から受けるダメージが減る」という情報が得られる。

これによってユーザーは「アイコンでなんとなく意味がわかるけど、本当にそうなのかな?」という疑問を解消できる。

同じ意味を持つ情報は同じアイコンで表示するように統一され、プレイヤーが覚える必要のある情報自体圧縮されているのもありゲームユーザー間のコミュニケーションが極めてスムーズだ。

これがフリーゲームで出てくるのはちょっと本当に凄い。

そもそもフリーゲームってのはとっくに蛸壺化したマニアック世界になっていて、もうゲームオタクがより尖ったゲームを投げ合うマニアのための場所になっている。

から色んな要素が説明不足でも「つまりあゲームシステムと同じね」で受け入れてもらえる土壌があるし、分かりにくいときも「意味を調べるのも含めてゲームだよね」で許されてしまう。

結果としてフリゲは「ゲームに詳しい人同士の暗黙の了解」に支えられることに依存し、「実際にゲーム内で数字が動いているのを見て始めてその意味確信が持てる要素にまみれたUI」が常態化している。

だがこのゲームはそうして産まれコミュニケーションエラーユーザーの側から「これが分からないです」と確認に行けるようになっている。

こういったシステムを「ゲーム辞書」や「HELP」という形で用意するゲームもあるが、それらはゲーム内の全ての情報をいきなり網羅している中でユーザーがまるで図書館の中で調べ物をするように情報検索していく必要がある。

このゲーム採用した「分からない所、確証が持てない物を右クリックすると、詳細が得られる」というのは、それらの不親切さを排除し、「必要な人に、必要な時に、必要な量の」情報が与えられるちょっと極めて優れたUIだ。

ゲームは究極的にはコントローラーを通じての機械人間コミュニケーション、ひいては造り手の遊ばせたいゲームユーザーの頭の中にあるゲーム体験コミュニケーションであり、「この情報、この行為に対しては、こういった意味リアクションが発生する」というのがスムーズに行かないとチグハグになってしまう。

たとえばポケモンの新作は「店を出る時は十字キーの上を入れれば店を出られたのに、店を出た途端にカメラが逆になったせいで十字キーの上を入れたままだと出た店にそのまま入り直してしまう」という部分がUIUXの欠陥であると指摘されていた。

こういったことはプロであっても存在する。

UIというのはゲーム体験においてトップクラス重要なのだが、軽んじられることも多く、しかしそれによって損なわれるゲーム体験はかなりの物がある。

このゲームはそんなUI問題に対してキチンと問題意識を持って意欲的に取り組めている。

これがフリゲ出来ているのはちょっとマジで凄いと思った。

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