こんな愉快な記事がったんだが
コンパクトシティー阻む「縦割り行政」 見えぬ成功例:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE248CG0U2A121C2000000/
これが全く住民の目線が無くて嗤える。そりゃ失敗するに決まってんじゃん。
本文よりコメントプラスのほうがより分かりやすくて、例えば斎藤氏(日経論説委員)
市街地を広げないことが地価を維持
(…)
大切なのは人口が減る中で地価を保てる地域をどう残し、そこが生む利益(…)車を手放したお年寄りが移り住んで地価が下げ止まる
とかコメントを出している。つまり、彼らの目的は地下を下げず、不動産収入を維持するという事なんだよな。
敢えて言おう。知ったことか!
下々の者はお殿様が開いた都に高くても住むべし、みたいな江戸時代の身分制度をそのまんま持ってきているようなイメージすらある。
元気な老人も含まれるんだが、若い人ににとっては土地の価格が下がることはよいことなんだよ。
移住してくる人が何を望んで地方に来るかというと、多くは自然であったり、広い家にすめるとか、周りに何も無い広々とした住まいとか、そういうことを求めてやってくる。
彼らにとって、土地の値段が値崩れ起こしてタダ同然になることに何の問題がある?安けりゃ安いほどいいだろう。
人口減少が起きたら困るという人もいるが、裏返せば一人あたりが占有できる土地面積が広くなると言うこと。
これは移住までいなかくても、田舎で幸せに暮らすマイルドヤンキーだって同じこと。まぁマイルドヤンキーは旨いこと大企業の地方工場にでも入り込まない限り低賃金労働者なので、土地が安くないとそもそも家が建てられないという事情もある。
裏を返してコンパクトシティ。
ちょっと郊外に出ればだだっ広い土地が広がっているような土地であっても、そこの昔からある市街地、とても土地の価格に似合うだけの利益を上げそうにも無いような価格が未だに付いている。と言うか、そこに住んでいる人が頑なにこの価格で無いと売らないとがんばていると言い換えてもよい。
そんな所に何故か金を出して高層マンションを建てるディペロッパーがいたりする。よくよく話を聞くと御上の政策でコンパクトシティだからと助成金をもらって計画し、その低層階に市役所を入れたりなんかしている。
だが、だからと言って便利な交通機関があるわけでも、時刻表を見ずにふらっと駅に行っても電車にすぐ乗れるような環境があるわけでもないので、通勤通学には車が必須だ。
結果として、ディペロッパーが建てた都会水準の高額物件にぎゅうぎゅう詰め込まれつつも、働くには車がいるから最大の時には一家で駐車場を4台借りてその費用がかさむ。
こんなの、都会と田舎の悪いところを足したような住まいじゃないか。なんでこんな所に住まなければいけないの? え?地価の下落を防ぐため? 冗談櫻井よしこさんやぞ。
これを全部同じ言葉ですまそうとするなと思う。
インフラ維持が無理になってくる限界集落の住人を、中心市街地の狭っ苦しいアパート住まいにしようなんて事はできないし、都会に無いものを求めてやってきた若い人を東京の劣化版のような所に押し込めたって嫌気がさすだけだ。
日経の記事では、イオンなどの大資本を入れて、大規模な郊外型ショッピングモールを開発すると言う事がコンパクトシティに反する事例として扱われているが、実際には逆だろう。
郊外型ショッピングモールを中心として、安い土地に宅地を開発し、そこを新たな中心街とすればよい。そうしていけば旧市街はだんだんと人がいなくなって土地の値段が安くなる。だんだんと間引かれてくるから、そこで再開発をすればいいんだよ。