2022-02-22

公立高校教員をやっているが

もやっとする記事だったので書く。

https://news.yahoo.co.jp/articles/be8e13c70803c42f8e9a6f96a2935c1736788b37

高校では3年の秋ごろに教科書の内容を終え、大学入学共通テスト対策シフトした。(……)担任は、共通テスト対策の授業を受けるよう指示。「受験必要ない」と抗議する級友もいたが、考えを変えなかった。

そもそも高校の授業には通年の履修しかないし、いわゆる「選択授業」以外は卒業必要な科目なので、「秋ごろから内容が変わったので受けません」と言われたら「その科目が未履修になる(つまり卒業できない)けどいいの?」としか言えない。

大学で「就職必要いから」という理由で履修せずその結果卒業を逃している人がいたらどう思うだろうか。「大学おかしい!」とはならなくないですか?ここらへんは確定申告とかと同じで、勝手に履修とかされちゃってる感が、自分の履修(と修得)と卒業との関係曖昧にしていてよくないのだろうなとも思う。

まあ、とにかく言いたいことは、別に担任が「考えを変えなかった」のではなくて、現状のシステムで途中から急に授業を受けなくなることは単純にありえないだけ、ということ。

プレゼン資料作成などができたのは週2時間だけだった。

かにこの人は学校でやりたくないことをやらされて時間を奪われたかもしれないが、それでも自分の大切な進路を決定するプレゼン資料に週2時間しかかけられないというのは、客観的事実としてはちょっとありえないかな、と思う。進学校放課後補習があったとしても、自分時間が週2時間しかなかったら全然受験勉強進められないだろう。厳しいことを言うようだが、いくらでも時間は作れたはずだし、担任以外で相談すりゃ個別対応してくれる先生もいたはず。

総合選抜合格すると、担任から「みんなの前で言わないでね」とくぎを刺された。共通テストを控える同級生に「水を差す」と考えたらしい。

これは担任の言い方がよくなかったのかもしれないが、このようなことを言いたくなる心情はよくわかる。早く決まった生徒が多くいればいるほど、そのクラス最後まで受験する生徒にとって学習環境は悪くなる一方だから。実際にこの人と友人は、受験対策授業を受けたくないと教員に訴えていたらしいから、「先に合格をした」という事実ではなくて、そういう言動で水を差していた可能性もある。

学校から生徒に示された企業求人は二つだけ。高卒段階での就職活動は、学校斡旋あっせん)により企業求人票を得るのが主流だが、教員ハローワークに届く求人を十分に探すことはなかった。

詳細がわからないが、高卒求人高校によって就職者数が違うので、たしか高校によってはおざなり対応になっている場合もあるのかもしれない。ただ、高卒求人は、求人票解禁の時期、企業見学の時期、面接解禁の時期と、明確なシーズンがあるので、高3の秋頃に進路に困ってなんとなく就職と言い出されても、あまり満足できる選択肢が残っていないという場合も大いにある。まあ、進路の先生対応おざなり場合は、「ハロワに聞いたら、全国のハロワ高卒求人オンラインで見れるって聞いたんですけど……」とか言えば見せてくれると思う。

感想

まあ、学校先生に色々不満があるのはわかるんですが、ただ、「実績を求める学校/教師が全てを捻じ曲げて生徒の進路を画一化している」みたいなストーリーは、現場感覚とは乖離している妄想の部分も大きいかなと思ったのでつらつら書きました。

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