また、昔のことを思い出した。
「ねえ、ケンカしよ!?」
最寄り駅でバスを降りた瞬間、目の前にいる巨体の不良にだ。
これほどギャップのある「しよ違い」もなかなかないだろう。
ただ、彼から「セックスしよ」と言われたら、半端なく恐ろしい。「ケンカしよ」のほうでよかったと今では安堵している。
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家はスナックを経営、不良のアニキがいて、なるべくして不良になっていた。
だから、久しぶりに会った時にまさか「ねえ、ケンカしよ!?」なんて言われるとは夢にも思わなかった。ジャイアンみたいだった幼稚園児の彼に言われるなら話はわかるが、今だにこいつはこんなことを言うのか……と民度の低さに呆れた。
今でもたまに思い出す。
人間、本当の恐怖を感じたときには震えるということあの時に知った。
バス停で震えながら無視して去った時の瞬間、あの時代の空気、全部覚えている。トラウマだ。たぶん、今リョウに会っても、きっと逃げるんだろうな…。
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ただひとつ間違いなく言えるのは、今の僕ならあの頃のリョウを間違いなくボコボコにできるということ。
僕は今、36歳だし。あの頃に戻れたら、きっとやり直せるはずだよね。
それにこう言ってやる。
「お前、巨体っていうか、ただのデブだからね。まわりのお母さんとかに体格がいいとか言われてるかもしれないけど、ようするにただのデブだからね」って。
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いくら当時のリョウが巨体だったとはいえ、小2ではたかが知れている。小2相手では正当防衛にしないと色々面倒なので、デコピン程度でイナフだ。もちろん、あらゆることにおいて負ける要素はひとつもあるまい。相手が芦田愛菜さん、いや、芦田愛菜サマなら話は別だが、リョウのようなDQN相手なら学力でも負けるわけがない。あと、こちとら暇すぎて無数のAVを見てるから、あらゆるテクを知っている。幼い頃から実家のスナックに出入りしていたとはいえ、小2にあっち方面の経験では負けまい。おまけに、今はDMMの見放題chライト(R18)で毎日ヌイている。アップロードされているほぼすべての作品をチェックし、気に入った作品をじっくり見ている。冒頭のインタビューすらしっかり見る。あとは、抜く瞬間に50代の熟女作品にしてみたり、シーメール作品にしてみたり、自分にあらゆる性癖を植え付ける活動にも余念がない。それだけは自信がある。そのおかげで、今ではあらゆるジャンルの作品のパッケージを見るだけで身体が反応するようになってしまった。はたして、小2の男がここまでアダルトな経験をしているのか? アソコを鍛錬しているのか?
否、しているわけがないだろう。
そんなことはどうでもいい。
とにかくあらゆる場面において、圧勝のはずだ。
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小学校の頃のつながりが今はまったくないので、リョウが今どこで何をやっているのか見当もつかない。
リョウが自分のスナックを繁盛させて、店舗リニューアルなんてしていたら悔しい。
リョウがもしこの世にいなかったら……
それは悲しい。生きていて欲しい。
そうでなかったら、まじめに生きてきた自分がバカみたいじゃないか。
まてよ……でも36歳無職という今の状況を鑑みると、さすがにこの勝負、負ける可能性が高いな。
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どんなに過去を振り返ろうが、あの頃に戻ったら圧勝できようが、
現実ではこんな僕にも明日は来るし、蛇口をひねれば水は出るし、ネットだって見ることができるのだ。時の流れは永遠に残酷なままだ。
いい加減、過去を思い出すのはやめようかな。
これで最後にしよう。現実と向き合って戦わねば。もう36歳だし。
ってことでドラクエ11の続きやろうかな。
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ちなみに、実名こそ伏せているが(あ、リョウは実名だった。キタムラくんも)、本当にあった話なので完全なるノンフィクションである。ダイアリーであり、ルポタージュである。小説ではない。思いつくままに書いている。タイトルが「おれ」なのに本文で「僕」なのは、自信のなさのあらわれかもしれない。
その1
https://anond.hatelabo.jp/20170801120514
その2
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