ホストをやっていた。
大学時代に旅行の入金をしたら手持ちのお金がなくなって、体験入店代の五千円を目当てにホストクラブに行った。
体験入店だけのつもりだったけれどたまたまその日に従業員が連れて来た枝(お客様の連れ)に「初回嫌いだからあの子担当にする」と指名され、ラーセンというボトルを入れてもらった。
その日の帰りに体験入店代だけでなく売上(小計+サービス料)の半分である30万円を貰い「指名して飾りボトルを入れたホストが次にはもういないとか洒落にならないから」と言われ自由出勤、服装自由、掃除と締め作業なしという約束で入った。そのため他の従業員からは終始好かれていなかった。それでもヘルプや一緒に席に着く時にはその感じを一切見せず仲良さそうに振る舞ってくれるからプロってすごい。
俺のスタイルは唯一俺のことを気にかけてくれたベテラン内勤に教わった「昔の売り方」で、歌舞伎町での明け方ナンパと初回のお客様のみを獲得することに全力を尽くす。そうすると相手は既にホストクラブのシステムや料金を新人ホストより知り尽くしており、高確率で夜職。
アフターは締日のラスソンのみ。それ以外はタクシーに乗せて家の住所伝えて帰宅させる。アフターも飯屋でベロベロに潰してタクシーに乗せて帰す。ホテルや枕は一回もなし。
ランキングには加わらなかったが、毎月だいたいその店の5、6位と同じ売上だった。
育て(乱暴に言うとホストを全く知らない女の子を店外で好きにさせて来店させ、徐々に感覚を狂わせて風俗に堕とし高額を使わせる)と枕をせず「好き」や「愛してる」を言わなければ刺されることもメンヘラになることもない。売上には限界があるが。
こんな感じの気持ちでやっていたから大学生にとってはあれほど楽で上手い商売はないと思った。本気でやるとホストも病むだろうけれど。
何が言いたいかというと、ホストに関する問題やトラブルを防ぐには単純に「育て」と「枕」を規制すれば良いだけ。
「そんなのホスト次第だから規制できない!」って思われるかもしれないけれど、裏引きだってやろうと思えば誰でもできるのに殆どのホストはやらないんだから店にルール作らせればいいじゃん。
ホストを全く知らない女の子を店外で好きにさせて来店させ、徐々に感覚を狂わせて風俗に堕とし高額を使わせる これ何かの法律に引っかけられないのかね