2023-10-07

転生したら弱者男性だった~最強の弱者男性を目指す~

目が覚めたとき、そこは見知らぬ世界だった。

どうやらここは弱者男性蔓延ファンタジー世界らしく、ゲームのように敵や自分能力値を調べることができるようだ。

弱者男性を倒してレベルアップ、〖称号〗を掻き集めて上級弱者男性進化

そして俺はこの世界で成り上がってやるぜ!!…………って思ってたのによおおおぉぉっ!!!

「なんで俺がこんな目に遭わなきゃならねーんだよ!!」

「ギャアァッ!?

目の前には巨大なドラゴン。その口は今にも閉じられそうだ。

くそったれえぇ――――っ!」

必死になって腕を伸ばすも、俺の腕力じゃあ到底間に合わないだろう。

ああもうダメだ! 喰われる! そう思った瞬間――ドラゴンの首から上が無くなっていた。

「へ?」

間抜けな声を出した直後、ドサッと音を立てて胴体だけが地面に倒れる。

何が起きたのか理解できないまま呆然としていると、背後から足音が聞こえてきた。

振り返るとそこには一匹の弱者男性がいた。

鶏の体に首から上は皺だらけの老翁という恐ろしい姿の化け物だ。

ステータスオープン!」

コカトリス:Aランク弱者男性

Lv99(MAX

HP4400/4400 MP8800/8800 攻撃力3200 防御力2900 素早さ3000 魔力16000 耐性 火・水・氷・雷・毒・麻痺・眠り・呪い即死状態異常

特殊スキル

石化眼:相手を見つめることで相手を石化する。また相手レベルが高いほど石化しにくくなる。

固有スキル

石化無効:石化の状態異状を完全に無効化する。

うげええぇぇぇっ! こいつ強すぎんだろ!? しかもなんか見たことないスキル持ってんぞ!? つーか弱肉強食世界から強い奴に従うしかないんだけどさぁ……でもこいつはちょっと強すぎるんじゃねえかな? だってほら、強そうなドラゴンを一撃で倒しちまったし。

ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン」

やべえ、外見はキモいし話は通じそうにないしで完全に詰んでるじゃん。

逃げようにもこの強さだし無理だよな……。…………よし決めた! こうなったらコイツを利用して成り上がるしかねぇ!!

ステータスオープン!」

コカトリスが叫ぶ。すると彼の前に半透明の画面が現れ俺のステータスが表示された。

佐藤友哉:Cランク弱者男性

Lv5

HP100/100 MP50/50 攻撃20 防御力10 素早さ15 魔力0 耐性 なし

特殊スキル

鑑定眼:対象レベル名前などを見ることができる。

固有スキル

なし

よし、これでいいはずだ。あとはコイツ交渉してなんとか仲間に引き込むだけだ。

「おいお前、よく聞け。俺は弱い男だがこの世界の誰よりも強くなりたいと思っている。そこでだ、俺と一緒に強くなってみないか?」

「ギャウゥ……」

おっ、興味ありって感じの反応だ。もう一押しすればいけるかもしんねーな。

「それにこの世界では弱者男性を倒して経験値を得ることによってレベルアップすることができるらしいぜ。つまり強くなるためには戦うことが一番ってわけだ。どうだい? 一緒に戦おうじゃないか

ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン」

コカトリスの眼が真っ赤に輝くと俺の下半身が石になっていく。

「ちょっ、おまっ、まさか俺のこと殺す気じゃ――」

「グオオォンッ!!」

次の瞬間、コカトリスの大きな嘴が俺の首筋へと突き刺された。

「ぎゃあああぁぁあっ!? 痛い痛いっ! 死ぬぅっ! 死んじまうよおおぉぉぉっ!!」

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