2022-01-05

トリコ「牛宮城…?」

トリコ「おい小松そいつは一体どんな食材だ?」

小松「何言ってるんですかトリコさん!牛宮城は高級焼肉屋ですよ!」

トリコ焼肉屋だと!?俺の大好物じゃねーか!」

トリコ小松!それは一体どこにあるんだ?」

小松「ここですよ!ここ!このビルの5階!あそこが牛宮城です!」

トリコ「何ィ!?こんな渋谷のど真ん中に高級焼肉屋があるのか!?

小松「これから高級なお肉が食べられると思うとよだれが止まりませんよ〜〜〜」

トリコ「よし!思い立ったが吉日、その日以外は全て凶日だ!早速中に入るぞ!小松!」

小松「うわっ!!」

トリコ「どうした小松!」

トリコ「ってなんだこのデカい牛の頭!」

小松「いまから食べる物の顔を見せられるっていうのはなんだか…」

トリコ「あぁ、気分が悪いな…」

小松「で、でも大事なのは味ですよね!トリコさん!

小松「早速席に座って注文しましょう!」

トリコ「あぁ…」

トリコ「ここにも牛の絵か…」

小松「ト、トリコさん!とりあえず注文は店員さんにお任せしますね!」

小松店員さん、お願いします!」

店員はいッ!かしこまりましたッ!」

店員「お待たせしましたッ!玉手箱ですッ!」

小松「えっ!?焼肉屋さんで木の箱!?

トリコ「……内装はどうあれ、食材には感謝して食わねぇとな!」

トリコ「早速開けてみようぜ!小松!」

小松はいトリコさん!」

パカッ

トリコ「うおっ!いきなり煙が出てきたぞ!?

小松「こ、これ中にはユッケが入ってますよ!」

小松しかも上にウニキャビアまで乗ってます!」

トリコ「よし、じゃあ食べるか!

トリコ「……全ての食材感謝を込めて…」

トリコ小松「「いただきます!」」

トリコ「ムシャムシャ なんだこれ!?うめェ〜!」

トリコユッケに絡みつくウニキャビアの芳醇な旨味… たまんねぇぜ!」

小松ちょっとトリコさん!食べるの早いですよ〜!」

トリコ「おいおい小松、お前も早く食べてみろよ!これ美味いぞ〜!」

小松はい!」

小松「……ってあれ?」

小松「これ、固まっちゃってますよ?」

トリコ「何っ!?

小松「ほら、見てください」

小松「箱の中のドライアイスで肉が固まって、お箸が刺さりません」

トリコ「嘘だろ……」

トリコ食材を粗末に扱っている証拠だな… 」

小松「ま、まぁトリコさん!まだ一品目ですから!」

店員「お待たせしましたッ!」

店員金箔寿司 銀箔寿司ですッ!」

トリコ「な、なんだァ?」

小松金箔と銀箔のせいで逆に見た目が損なわれちゃってますね…」

トリコ「まぁ、とりあえず食ってみるか」

トリコ醤油は無しか?」

店員はいッ」

トリコ「ムシャムシャ……おい、これ味が無いぞ」

小松「えっ!?

小松「ムシャムシャ……本当だ、味が全くしない!」

トリコ店員さん」

店員はいッ!」

トリコ「悪いが醤油持ってきてくれ」

店員「は、はいッ」

店員こち醤油ですッ」

トリコ「おう!ありがとな!」

小松「ペロッ……」

小松トリコさん、この醤油不味いです」

トリコ「何っ!?

トリコ「……本当だ、甘味が全くねぇな」

小松刺身醤油でも甘露醤油でも無いですし…」

トリコ「……小松

トリコ「俺は次の料理次第でこの店を出るぞ」

小松「……はいトリコさん」

店員「お待たせしましたッ!」

店員「牛の舞ですッ!」

小松「わぁ〜っ!……え?」

トリコ「水の上に肉が…?」

小松「こ、こんな物を出す料理人がいるんですか…?」

トリコしかも一緒に浮かんでるこの花、見るだけで食欲を減衰させるぜ…」

小松「下のライトほとんど意味をなしてませんよ…」

小松トリコさん、これは…」

トリコ「あぁ、店を出よう。食材には悪いがな」

店員お客様ッ!お待ちくださいッ!」

小松「ちょ、ちょっと店員さん!通してくださいよ…」

小松「って、そのメガネにその目!あなたもしかして…!」

店員宮迫)「はいッ!宮迫ですッ!」

トリコ宮迫…?」

トリコ「誰だ…?」

小松「ト、トリコさん、この人はここの経営者です!」

小松「色々あって今大ピンチな人ですよ!」

宮迫「おっしゃる通り、うちは今大ピンチなんですッ!」

宮迫「なので、今グルメ四天王トリコ様に悪い評判を流されたら、もうこれからここで焼肉屋をやっていけなくなるんですッ!」

宮迫「だからどうかお待ちくださいッ!」

宮迫「これから近江牛シャトーブリリアンをお出ししますのでッ!せめてそれだけでもッ!」

トリコ「たとえシャトーブリ“リ”アンなんてふざけた名前をつける店だとしても、」

トリコ「こうやって経営者自分店員をやってる時点で、この店が大変なのは分かる」

宮迫「ならッ…!」

トリコ「だがな、お前が大変なのはお前自身食材への対応が原因だ」

宮迫「そんなッ…!」

トリコ「とりあえず、お前の服から臭う怪しいコンサルタント臭だけでも取っ払うんだな」

トリコ小松!行くぞ!」

小松「は、はい

宮迫「あぁ… うちの店は、牛宮城はこれで終わりだ……」

トリコ「……。」

トリコ「……宮迫、だったか

宮迫はいッ!宮迫ですッ!」

トリコ「その挨拶は鬱陶しいが……」

トリコ「お前のとこの悪い評判は広めないでおくことにする」

宮迫「えッ……?」

トリコ「肉に罪は無いからな!」

宮迫「ト、トリコ様ッ!」

トリコ「今度来た時は、美味い肉、食わせてくれよ!」

小松「ご、ごちそうさまでした…」

宮迫はいッ!」

トリコ「さぁてと… 小松!」

小松「は、はいトリコさん!」

トリコ「口直しに牛牛でも行くか!!」

小松はい!!」

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