販売やサービスの提供などの取引に対して課税される税で、最終消費者が負担し、納税義務者である事業者が納付する。
取引額の10%または8%の額を取引先から徴収し、仕入れ等で支払った消費税を引いた額を納付する。
ちなみに、この「仕入れ等で支払った消費税」は小規模事業者は「ざっくりと売上の40%〜80%(事業の業種で決まった割合)」と見なすことができるので、売上に対する実際の消費税納付額はおおよそ20%〜60%くらい、と思っておくと良い。
受け取った消費税から支払った消費税を引いたもの、というのはつまり「生み出した付加価値」に対する税金と考えることも出来る。
100円(+10円の消費税)で仕入れて加工して500円(+50円の消費税)で売ったら400円の価値を生み出したので、その分に対する10%の消費税40円が納める金額になる、という考え方だ。
事業者側はこの考え方だとシンプルになるのだが、これが壊れるのがインボイス制度だということは後述する。
前々期の売上が1,000万円未満の事業者は消費税の納税義務を免除される。
国への納付が免除されているだけなので、消費税を取ることは問題がない。
むしろ消費税を取らない場合は、仕入れ分の消費税を自分が払うことになるので、課税事業者よりも損することになる。
インボイス制度では「仕入れ等で支払った消費税」に算入できるのは適格請求書が発行されている場合に限られる。
つまり、免税事業者からの仕入れについては税額が控除されないこととなり、もし消費税をこれまで通り請求するならば、取引先からは適格請求書を発行するように求められるだろうし、そうでなければ納める予定の無い消費税を支払う取引先はいないだろう。
ここまで読んだ方はわかるだろうか。
つまり免税事業者は、仕入れ税額分の消費税すら請求することができなくなるのだ。(たとえ請求しても相手の仕入れ税額控除に入らないのだから実質的には支払ってもらっていないことと同じ。)
これが免税事業者が怒っている理由で、何も付加価値分の消費税を請求できないことを怒っているわけではないのだ。仕入れ税額を請求できないために、実質的に課税事業者になるしかないというのがおかしいと怒っているのだ。
更に言うなれば、消費税が「最終消費者が支払う税」であるという前提が壊れてしまっているということも指摘したい。
インボイス制度が始まったらぜひ皮肉を込めて「消費税」では無く「消費および免税事業者の仕入れ税」と呼んで欲しい。
インボイス制度が始まったら、免税事業者ではなく課税事業者になって、 普通に消費税の差引をすればいいだけでは? 自分がもらった消費税と払った消費税の差額をおさめるだけの話し...